ここ数年、野球、相撲、バスケットボール、バレーボールなど、スポーツ観戦が趣味という女性が増えてきた。運営側も女性の心を掴み集客を増やそうと、多種多様なサービス展開を行っている。
そんななか、「女性のパワーでスポーツを盛り上げよう!」という合言葉を掲げ、スポーツ観戦をする女性をさらに増やしていくことを目的とした『スポーツ観戦女子プロジェクト』が11月に発足した。
プロジェクトメンバーは早速、スポーツ観戦をする女性を増やすためのトークイベント「GIRLS TALK #crazy about sports」を開催。着実に女性ファンを増やしているジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)広報の経沢希志子さん、プロ野球パシフィック・リーグクライマックスシリーズで野球女子向けイベントを開催した資生堂ジャパンの谷川有加さん、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)を愛する女子サポーター団体「Jユニ女子会」代表の木下紗安佳さんの3名をゲストに迎え、スポーツ観戦をより身近に、そして同じ趣味を持つ女性をもっと増やすためにはどのような取り組みを行っていくべきなのかディスカッションを行った。20~30代の男女45名が来場し、大盛況だったイベントの様子をお届けする。
女性がスポーツ観戦にハマるきっかけ
谷川さんは「野球中継のために見たいテレビ番組が中止になることが多く、どちらかといえば野球は嫌いだった」と、 野球にいいイメージを抱いてはいなかったという。しかし、仕事を通して実際にスタジアムで見た北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手の全力プレーに魅了され、スポーツ観戦女子の道に足を踏み入れた。谷川さんのように、きっかけが仕事という人は少数派だろう。
まったく興味のない人を引き込むためには、話題性のあるイベントやスター選手という「誘うためのひとネタ」が必要になる。実際に女性がひとり観戦をすることはまだハードルが高く、初めてのスポーツ観戦は家族、友人、恋人に誘われて行くことが多い。遊び場や女子会感覚で来られる場所づくりが、女性を呼び込むためのスタート地点だと感じる。
スポーツ観戦グッズも女性が食いつきやすいアイテムだ。近年は人気ブランドとのコラボレーショングッズや、主張しすぎない小物、バッグなどもあり女性から評価されている。その一方で、「ファン歴が長いと、いつも同じグッズばかりでは買う気が起きない」「Tシャツやタオルは飽和状態」「ピンクだったらいいってもんじゃない」と、ベテラン観戦女性からは辛辣な意見も飛び出した。女性といえばピンク、というイメージを強く持っている“オジさん”への厳しい提言だ。