国内最大級のゴルフ場運営会社、アコーディア・ゴルフを、投資ファンドのMBKパートナーズが買収する。MBKはTOB(株式公開買い付け)により完全子会社にする。
買い取り価格は1株当たり1210円。過去6カ月間の平均株価に12%上乗せした額だ。アコーディアの借り入れ(636億円)の肩代わりを含めた買収総額は1489億円。TOB期間は2016年11月30日から17年1月18日まで。来春にも上場廃止となる。MBKは取締役の過半数を派遣する。
アコーディアは16年6月、田代祐子氏が新社長に就任した。同氏は、米トレド大を卒業後、米大手会計事務所KPMGでパートナー(共同経営者)の地位に上り詰めたキャリアウーマンである。27年間、米国で実績を積んだ後に、外資系企業の日本法人で要職を歴任。12年からアコーディア・ゴルフの社外取締役を務めていた。日本マクドナルドホールディングスの社外監査役でもある。
MBKによる買収計画は二転三転した。16年7月、MBKがアコーディアを1600億円で買収する計画があると海外メディアが伝えた。買収計画が報じられて以降、アコーディアの株価は1カ月で10%上昇。8月には、株価上昇を理由にMBKは買収する計画を断念した。
だが、株価が下がり元の水準に戻ったことから買収計画が再燃。1489億円で買収することで合意した。MBKは当初計画していた1600億円より100億円以上安く買うことができたわけだ。
MBKは米国の投資ファンド、カーライルグループの出身者が創設した投資ファンド。日本ではライブドアの子会社だった会計ソフトの弥生、真珠のTASAKI、テーマパークのユー・エス・ジェイ、珈琲チェーンのコメダホールディングスなど5社に投資した実績がある。
旧村上ファンド系は保有株式のTOBに応じる
アコーディアは、全国約2400のゴルフ場のうち135コースを運営する業界最大手だ。17年3月期の営業収益は前期比0.3%増の487億円、営業利益は0.1%減の73億円、純利益は17.6%減の45億円を見込んでいる。