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「2016年経営者残念大賞」着外

大塚家具、売上4割減の惨状…なりふり構わぬ「叩き売り」で必死の売上追い込み

文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント
大塚家具、売上4割減の惨状…なりふり構わぬ「叩き売り」で必死の売上追い込みの画像1大塚家具・大塚久美子社長(Pasya/アフロ)

 2016年、業績を大きく落とした、成長機会を逃した、企業価値を大きく毀損した、危機的状況に際して拱手傍観してしまい窮地に陥る状況としてしまった、経営者としての倫理にもとった、社会に大きな損害あるいはリスクや不安を与え強く指弾された――、などの残念な結果を残した経営者を顕彰する、「2016年経営者残念大賞」。

 本連載では過去3回にわたり、第3位にシャープの高橋興三前社長、第2位に三菱自動車工業の益子修社長兼CEO(最高経営責任者)、輝くグランプリに電通の石井直社長を発表した。

 今回は上位3氏ほどまでは顕著な経営残念度ではなかったが、16年にその活動や実績が報道され話題となった経営者諸氏の何人かを取り上げ、その事跡を振り返ってみたい。

東芝、経済事件としてのインパクトは最大

大塚家具、売上4割減の惨状…なりふり構わぬ「叩き売り」で必死の売上追い込みの画像2『間違いだらけのビジネス戦略』(クロスメディアパブリッシング/山田修)

 電機業界にあって日本を代表する名門企業だった東芝の名声は地に墜ちた。いうまでも無く15年9月に公表した、歴代3社長時代に行われた累計2248億円の利益水増しと、16年3月に公表した、10~14年度に行われたとされる累計58億円の追加利益水増し事件によってである。

 インパクトからいえば、東芝の不正会計問題は15年から16年にかけて最大級の経済事件だった。社会に対して大きな衝撃を与えただけでなく、本事件により東芝自体も深く傷ついた。一連の不祥事により、15年9月に東京証券取引所によって「特設注意市場銘柄」に指定されてしまい、企業としての信用が大きく損なわれた。

 さらに16年11月に至り、あろうことか子会社の東芝EIコントロールシステムが16年9月末まで架空売り上げを計上し続け、水増しの累計額は5億2000万円に拡大していたと報告された。

 これにより「特設注意市場銘柄」としての東芝株式への東証審査は厳しさを増すことは確実で、審査が期限の17年3月15日を過ぎてしまうと、同社株は自動的に「監理銘柄」に区分される。そうなれば、東証からの上場廃止は十分に起こりえる、同社にとって危機的な状況となる。

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

経営コンサルタント、MBA経営代表取締役。20年以上にわたり外資4社及び日系2社で社長を歴任。業態・規模にかかわらず、不調業績をすべて回復させ「企業再生経営者」と評される。実践的な経営戦略の立案指導が専門。「戦略カードとシナリオ・ライティング」で各自が戦略を創る「経営者ブートキャンプ第12期」が10月より開講。1949年生まれ。学習院大学修士。米国サンダーバードMBA、元同校准教授・日本同窓会長。法政大学博士課程(経営学)。国際経営戦略研究学会員。著書に 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』、『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(共にぱる出版)、『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)、『MBA社長の実践 社会人勉強心得帖』(プレジデント社)、『MBA社長の「ロジカル・マネジメント」-私の方法』(講談社)ほか多数。
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