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東証の誤発注対策に暗雲?場当たり的対応に振り回される企業らの苦悩

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 07年11月の行動計画公表時点では、12年4月1日、つまり去年の今頃までには100株か1000株に集約する目標だったが、11年3月の東日本大震災発生で2年先延ばしにしたので、来年の4月1日が移行期限になっている。

 来年4月1日までに100株か1000株への移行を済ませなかった会社は社名が公表されるのだが、これが果たして移行を実施しない上場会社へのペナルティとして機能するのかどうかは疑問の残るところだ。

 とはいえ、取引所、特に東証がかなり積極的に移行を要請しているだけあって、この1年間で200社あまりが移行を実施もしくは実施を決めた。このうち約半数は昨年暮れ以降に実施を表明した会社だ。

 すでに券が電子化されているので、大半の会社にとって、100株への移行はさほど手間もコストもかからない。

 売買単位が1株の会社は100分割を実施して単元株数を100株に変更すると、株主の議決権にはなんの変更もなく100株単位に移行できる。株主の議決権に影響を与えないので、株主総会決議も要らない。10株単位から100株への移行も10分割と組み合わせれば総会決議は要らない。

 500株単位の会社が100株にする場合は、株主はそれまで500株で1個だった議決権が5個に増えるので、これも総会決議は要らない。

全上場会社中で唯一の200株単位会社だった、住友金属系の鋳鋼品メーカー・新報国製鉄も、総会決議なしで昨年5月に100株へ移行済みだ。

 総会決議が不要なら、株主に単元株数の変更を通知するためのハガキ代がかかるだけなので、よほど株主数が多い会社でなければコストはせいぜい100万円前後。

 ただし、すでに発行済み株式総数が多く株価が低水準の会社の場合は、いったん株式を併合する手続きを組み合わせるので、これには総会決議が必要だが、これはごく一部の会社に限られる。

 全上場会社中唯一の2000株単位会社だった、近鉄グループの映画興行会社きんえい(旧近畿映画劇場)も、3月8日に100株への移行表明を行った。1000株単位から2000株単位に移行したのは1982年10月。なぜ2000株にしたのかは「昔の話なので理由はわからない」というのが会社側の見解だが、2000株から100株への移行には、10株を1株に併合する手続きを必要とするので、今年4月下旬開催の定時株主総会での決議を要する。

 総会決議の要、不要を問わず、移行手続きには株主名簿を確定させる必要があるので、多くの会社が信託銀行から株主名簿が届く決算期末や中間期末に合わせて移行手続きをとる。このため、今年5月は移行ラッシュになるのは間違いない。

●立ちふさがる最低購入額と、100株単位の矛盾

 手続きが簡単だから、1年後に迫った「とりあえず100株か1000株へ」という目標は達成可能かというと、そうとも言い切れない。

 例として、500株単位の会社で検証してみよう。500株単位の会社には、コニカミノルタホールディングスや長谷工コーポレーション、三菱ケミカルホールディングス、日清製粉グループ本社、日立造船など著名企業が顔を揃える。いずれもかつては1000株単位だった会社だ。

 コニカミノルタホールディングスは現在、30万円台後半の金額で1単位を購入できる。100株に引き下げても7~8万円台となり、とりあえず取引所が「1単位が購入できる望ましい金額」としている5~50万円の範囲に収まる。

BusinessJournal編集部

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