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WHが計上する損失額は、7000億円から係争案件を除けば5000億円程度になる。東芝は「子会社において発生した損益は親会社の持ち分見合いで計上する」(東芝広報・IR)という。東芝はWHの株式を87%を保有していることから、持ち分法を適応してそこからさらに減額するのではないかとみられている。ここにきてさらに厳格に査定していけば、減損しなければならない金額はさらに膨らむ可能性はある。
東芝の株主資本は3600億円、今期の経常利益は1300億円程度を見越しているから、減損処理額が5000億円以内なら、なんとか自己資本で債務超過を忌避することができる。しかしこれが7000億円になると債務超過に陥るため、大掛かりな資産を売却してその穴埋めをしなければならない。
ところが資産の5分の1以上を売却するためには、株主総会の特別決議が必要だ。さらに投資ファンドなどに分社化した会社の株を売るためには、普通株では引き取ってはもらいにくい。そこで有利な条件が付く優先株を発行しなければならないが、東芝はすでに優先株の発行枠がいっぱいになっている。それを発行するためには、株主総会の特別決議で定款の変更が必要だ。
すでに東芝は1月27日、メモリ事業の分社化の承認を得る目的で3月末に臨時株主総会を開催すると発表しているが、仮に減損処理の額が5000億円を超えるようなら、そうした議案も新たに追加される可能性が高い。2月14日の第3四半期決算発表で、東芝の運命が決まる。
(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)
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