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大企業の社長や有名人が海外のカジノに行って億単位で負けたり、スポーツ選手が裏カジノに出入りしたりしていたことがメディアで報じられるように、富裕層には勝負事にアツくなるタイプの人が少なくない。そして、このカジノに欠かせない存在になっているのが、質屋や金貸しなどの金融業者だ。
「カジノと金融は必ずセットになっています。建前上、カジノ側とは無関係というかたちになっていますが、金貸しはオーナーや店側と組んでいる。そして、カジノ側はアツくなって持ち金を全部失ってしまった客の耳元で、『お世話になっている人があそこにいるんですが、ゲームを続けるつもりなら借りたらどうですか?』とささやくのです」(同)
ヤミ金業者が富裕層をターゲットにするのには、もうひとつ、彼らは社会的地位があるために「飛ばない」というメリットがあるからだという。やはり、客に「飛ばれないこと」こそがヤミ金にとって一番重要な問題なのだ。
もっとも、シノギの場所を地方に移したり、富裕層をターゲットにしたりしたところで、「ヤミ金業界が衰退していく状況には変わりがない」と上野氏は予測する。
「カジノ法案が国会で成立し、裏カジノが今後さらに盛り上がるのか閉鎖に追い込まれるのかはわかりませんが、ヤミ金業者をめぐる状況はますます厳しくなり、ヤミ金業者は減少していくはずです。しかし、代わりにヤミ金業者たちは、振り込め詐欺など、より効率的に稼げるシノギに流れていくでしょう」(同)
罵声を浴びせて暴力的に取り立てるヤミ金業者と、土下座して返済の猶予を懇願する客……。確かに、こんなわかりやすい状況はなくなりつつある。しかし、ヤミ金業者そのものがいなくなったわけではないのだ。
(文=藤野ゆり/清談社)
●取材協力/上野友行
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