湖池屋は2月6日から「自信作」として売り出した新ブランドのポテトチップスプライドポテト(「KOIKEYA PRIDE POTATO」)3種類のうち、2種類を販売休止とした。
当初の販売計画を大幅に上回り、「十分な供給量を確保できない状況」になったことが原因として、14日に「魅惑の炙り和牛」味、20日に「松茸香る極みだし塩」味の販売の一時休止を発表した。
過去にも、「レモンジーナ」「ヨーグリーナ&南アルプスの天然水」(いずれもサントリー食品インターナショナル)、「ハーゲンダッツ 華もち きなこ黒みつ」「ハーゲンダッツ 華もち みたらし胡桃」(いずれもハーゲンダッツ)、「ガリガリ君リッチ コーンポタージュ」(赤城乳業)、「カップヌードルビッグ“謎肉祭” 肉盛りペッパーしょうゆ」(日清食品)など、発売直後に一時販売休止となった商品は数多くある。
「売れている」と思わせることで消費者の購買欲を喚起しようという「品薄商法」ではないかと疑問視する向きも多いが、実際のところはどうなのか。そこで、流通ジャーナリストの渡辺広明氏に話を聞いた。
販売休止にしなければならないワケ
――「売れすぎて販売休止」というニュースをよくみかけるが、なぜ休止しなければならないのでしょうか
渡辺広明氏(以下、渡辺) メーカーが予測販売数を見誤り、製造キャパシティを超えて生産中止となることが何年も前からのお決まりのパターンとなっていますが、予測販売数を正確に読むのは非常に困難で、それが昨今はますます加速しています。
その理由は、3つあります。
第1に、新商品は基本的に大ヒットしないというメーカーの前提があります。お菓子はフレーバー違いを含めて年間およそ3000品の商品が発売になります。そのなかで、ここ数年で定番として生き残ったブランドは、「UHA味覚糖 コロロ(グミ)」と「ロッテ 乳酸菌ショコラ(チョコ)」ぐらいといわれるほど、生存率が低いのです。
メーカーは新商品を発売しないと売り上げ目標を達成できないので開発はしますが、当然のことながら、すべての商品が大ヒットするとは仮定していません。どのくらい売れるかわからないうちに大量生産すれば、在庫が過剰になって不良在庫になるというリスクがあるため、新商品の生産数を慎重に吟味しています。そのため、ブレイクすると欠品するというサイクルになるのです。