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文科省OB、華麗なる天下り先リスト…一流大学や外国大使、その悪質な組織的手法

文=島野清志/評論家
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文科省OB、華麗なる天下り先リスト…一流大学や外国大使、その悪質な組織的手法の画像1旧文部省(現 文部科学省)庁舎(「Wikipedia」より/Wiiii)

 かつて東京・上野動物園のパンダが死んだ日に亡くなった高名な落語家がいた。もちろん翌日のニュースでは取り上げられたが、昭和の名人と呼ばれた落語家にしては扱いが小さく、弟子たちは「師匠がパンダにやられた」と嘆いたそうだ。

 今、似たような立場にあるのは文部科学省だろう。ただし、こちらは偶然の僥倖に胸をなで下ろしているのではないか。本来ならもっと大きく取り上げられ、世間の厳しい批判を浴びたであろう組織ぐるみの天下り問題が、森友学園問題の陰に隠れてしまったからだ。

 もとより、その内容は悪質極まりない。ノンキャリアの役人が専従になって情報を収集し、大学や民間企業に退職者を次々に、半ば強引に天下りさせていた。先に歴代事務次官8人を含む37人もの幹部職員の処分が発表されたが、この際、潔く引退すべきである。彼らには慎ましく暮らすには十分な国家公務員共済組合の年金が支給されるのだから。

 一部には「利権から遠い文科省は再就職の受け皿が少ない」と同情的な見方はある。だが、この数年で退職した文科省キャリア官僚の再就職先を追跡してみると、国公立大学はもとより、独立行政法人や外国大使など華やかなのだ。大学や独立行政法人では、ノンキャリア組もセットになって再就職を果たしており、質量ともに充実している。さらなる版図の拡大を狙って今回の不祥事を引き起こしたのならば、強欲というほかはない。

 受け入れる側、特に実質的に文科省の管理下にある大学では、同省出身者の扱いは悩みの種になるようだ。

「キャリア、ノンキャリアに限らず、役人気質が抜けず、常識に欠ける人が存在する」(大学関係者)

マスコミと天下り

 ただ、問題が終息に向かっていることを安堵しているのは、当事者の文科省ばかりではない。実は報じる側のマスコミも、微妙な位置づけにあるのだ。

 約10年前に大学の格付けをめぐって、筆者は東海エリアの私立大学学長と論争になったことがある。その際に大学側から筆者のもとへ送付されたFAXの一部を、原文のまま紹介しよう。

「本学にはいわゆる上場企業の取締役を務めた人や、中央官庁の審議官、部長また県の局長だった人もおります。日経、朝日、NHKの論説委員、解説委員だった人もおります(後略)」

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