ビジネスジャーナル > 企業ニュース > ローソン元会長、また途中で投げ出し  > 2ページ目
NEW
山田修「間違いだらけのビジネス戦略」

ローソン会長を放逐された「育ちの良い」玉塚元一、また結果出ず途中で投げ出し

文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント

 こう評された人間的な魅力などにより、その去就がいつもマスコミで報道されるスター経営者だった。

 大学卒業後のキャリアをみてみても、旭硝子から米国留学を経て日本IBMに転職、ここまでは平のサラリーマンだが、ファーストリテイリングの柳井正社長に見込まれて同社に参画、やがて02年に40歳で柳井氏の後継として社長に登用された。しかし、05年には更迭されて同社を離れ、企業再生のリヴァンプを澤田貴司氏(現ファミリーマート社長)と創業して共同代表を務めた。

 そして10年に玉塚氏をローソンに招聘したのは、同社の新浪剛史社長(当時)だった。三菱商事から転籍してきた新浪氏は、ローソンで辣腕を振るい、カリスマ経営者として君臨していた。

 14年5月に新浪氏が会長に退き、玉塚氏が社長に就任するという人事が発表されたとき、私はそれを新浪氏が外部に転出するための準備だと予言した。果たしてそのすぐ後、6月に新浪氏のサントリー社長への転進が発表された。そもそも新浪氏が玉塚氏をローソンに招聘した時には、すでにサントリーへの転出を見据えてのことだった、とも評論した(14年11月24日付本サイト記事『サントリー新浪社長、就任まで4年越しの深慮遠謀』)。

 新浪氏の転出に伴い、ローソンの筆頭株主だった三菱商事は自社から後任社長を出そうという意向だったが、新浪氏が自らのシナリオに沿って強く玉塚氏を推挙したとされる。フランチャイズ・システムであるローソンにとって、後継社長は店舗オーナーに受けのよい人間力を持っている玉塚氏を最初から考えていたのだ。

キングになれなかったプリンス

 前述のような玉塚氏の華麗な転進の連続を、今回以下のように評する声もある。

「まるで楕円のラグビーボールのように活躍の舞台は転々とし、そしてローソンの社長に就任した。それから3年、玉塚氏はローソン顧問となり経営の一線から退く。『みんなのローソン』は完成したのだろうか」(『「みんなのローソン」未完 玉塚氏にノーサイド』<4月12日付日本経済新聞ウェブ版記事>)

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

経営コンサルタント、MBA経営代表取締役。20年以上にわたり外資4社及び日系2社で社長を歴任。業態・規模にかかわらず、不調業績をすべて回復させ「企業再生経営者」と評される。実践的な経営戦略の立案指導が専門。「戦略カードとシナリオ・ライティング」で各自が戦略を創る「経営者ブートキャンプ第12期」が10月より開講。1949年生まれ。学習院大学修士。米国サンダーバードMBA、元同校准教授・日本同窓会長。法政大学博士課程(経営学)。国際経営戦略研究学会員。著書に 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』、『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(共にぱる出版)、『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)、『MBA社長の実践 社会人勉強心得帖』(プレジデント社)、『MBA社長の「ロジカル・マネジメント」-私の方法』(講談社)ほか多数。
有限会社MBA経営 公式サイト
山田修の戦略ブログ

ローソン会長を放逐された「育ちの良い」玉塚元一、また結果出ず途中で投げ出しのページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!