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――(射幸性の高い)マックス機の規制後で「真・北斗無双」の中古機価格が200万円を超えたのには驚きました。
Aさん あれはもう投機の世界。自分の店の客層を見て「回収できる」と思えば大枚をはたいて導入すればいいし、「価格が下がる」と感じたら売り払えばいいわけだし。
――そんな資金力のあるホールでも、最近の販売価格の高騰はさすがにつらいんですね。
Aさん そりゃそうだよ。青天井なんだもん。「販売価格は40万円以内に抑える」なんて話があったけど、それもいつの間にか……。
――封入式パチンコ【※1】の話も、少しずつ進んでいるとか。
Aさん きっと、封入式パチンコが多くのホールにとどめを刺すだろうね。今のような数台、数十台の入れ替えではなく、店内の台をすべて入れ替えなくちゃいけないんだから。1台数千円ならいいけど、そんなわけないでしょ。
――メーカーがいくら台を売りたくても、ユーザーがいくらパチンコを打ちたくても、ホールがなければかないません。そういう意味では、ホールが潰れてしまったら困るはずですが……。
Aさん そうだよ。そこのところをメーカーは……いや、業界全体で考えないといけないよね。
戦略を誤ればパチンコ業界全体の崩壊も
パチンコ・パチスロ業界は、かつての競馬と同じように、さまざまな戦略のもとで市民権の獲得を目指している。しかし、性急にすぎると市場規模の縮小に拍車をかけるだけではなく、業界全体の崩壊にもつながりかねない。
そんななか、パチンコ・パチスロの販売価格の高騰が大きな問題であることは明白であり、今後は「封入式パチンコ」というキーワードにも注目する必要がありそうだ。
(文=山下辰雄/パチンコライター)
【※1】機械を完全に密閉し、あらかじめ機械内に入れてある玉を循環させることで、打ち手は玉に触れなくて済むパチンコ。釘や玉に触ることができないため、不正や改造の防止につながると同時に、店員や補給装置といったコストの低減も見込める。
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