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近藤五段は15年12月にプロデビューしているが、初戦の相手は「ひふみん」こと加藤一二三さんだった。当時、年齢差が56歳7カ月。藤井四段のデビュー戦(16年12月)も加藤さん(年齢差62歳6カ月)だったので、初戦の年齢差1位という記録は抜かれてしまったが、将棋界ではちょっとした話題だった。
近藤五段は5月22日現在(未放映のテレビ棋戦は除く)、全棋士中で通算成績の勝率が、藤井四段の1.000(18戦18勝)に次いで2位の0.7466(75戦56勝)。ちなみに、350戦以上で勝率7割以上は羽生三冠(1913戦1367勝)ただひとりである。
しかも近藤五段は、公式戦で羽生三冠を破っている。藤井四段が出てくるまでは、若手の最有望株だった棋士である。その近藤五段と藤井四段が、5月25日公式戦で初めて戦う。その試合は、竜王戦というタイトル戦の予選トーナメントの最終戦である。勝ったほうが、決勝トーナメントに進出できる。その決勝トーナメントには、羽生三冠も出場が決まっている。現在の将棋界の勝率1位と2位の棋士がぶつかる。将棋界、将棋ファンが、今最も注目している一戦だ。
この試合に藤井四段が勝てば、今まで以上に実力が認められるだろう。しかも、最年少タイトルホルダーになる可能性も出てくる。しかも、プロ棋士になった翌年にタイトルを取るのも史上初となる。
この2人は、6歳離れているが、プロ棋士になったのは1年違いである。デビュー以来勝率が高く大活躍している2人である。今後の将棋界を背負っていく棋士となることは間違いないだろう。良きライバルとして切磋琢磨し続けてほしい。
(文=垣田達哉/消費者問題研究所代表)
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