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「縦列駐車のコツがどうにもつかめず、『ごめんなさい。もう一度やらせてください』と練習を繰り返していた私に、教官が『その調子で、よく仮免許に合格できたね』とつぶやいたのは今でも忘れられません。出来の悪い教習生に愛想を尽かしたくなる気持ちも理解できますが、こんなふうに皮肉ってみたところでなんのメリットがあるのか、甚だ疑問です」(30代女性)
教習生と教官の理想的な関係とは?
百歩譲って、その悪態や愚痴に運転の具体的なアドバイスが含まれているのならともかく、教習生に必要以上のプレッシャーを与えるような言動は感心できるものではないだろう。しかし、もちろんのこと、教習所で良心的な教官に巡り会えたというエピソードを持つ方もいるので、最後に取り上げておきたい。
「『将来、車を運転することはまずないだろう』と考えていた私ですが、高校を卒業して間もない時期に、親の指示で嫌々ながらも教習所に通っていました。消極的なスタンスでは案の定ミスを連発してばかりだったものの、『自分も昔は車なんて絶対に乗れないと思っていたけど、今はこうやって運転を教える側だから、人生は何があるかわからない』と励ましてくれた教官がいて、非常に心強かったものです」(40代男性)
「初めて路上に出たときは、いきなり事故を起こしてしまわないかと心配で仕方がありませんでした。でも、そのときの教官が『ちゃんと言うことを聞いていれば守ってやるから安心しろ』とリラックスさせてくれたんです。『自分もこの人に迷惑をかけるわけにはいかない』と、身を引き締めましたよね」(20代女性)
思うように自動車を乗りこなせずに悩んでいる教習生の立場になり、目の前の課題にどうやって取り組めば上達するかという近道を二人三脚で模索する――。それこそが教官の役割ではないだろうか。教習生のことを心から思って発した言葉の一つひとつは、生涯にわたって役に立つ安全運転のスローガンとなることもあるだろう。
(文=森井隆二郎/A4studio)
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