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日本郵便の稼ぎ頭は、金融窓口事業だ。郵便局は全国に直営郵便局2万75局、簡易郵便局3968局、合計2万4057局ある。窓口業務は、ゆうちょ銀行の代理店として銀行代理業務や金融商品の仲介業務を行っており、その手数料収入がある。かんぽ生命保険の新規契約の増加により、営業収益は前期より261億円増え1兆3864億円、営業利益は240億円増え633億円になった。金融窓口事業の営業利益は全体のそれを上回る。つまり、金融窓口事業の利益がほかの部門の赤字を補塡して、日本郵便の屋台骨を支えているということだ。
投信の販売を加えることで、さらに手数料収入を増やし、収益を引き上げるとしている。
投資信託の回転販売の懸念
金融庁は14年7月に発表した金融検査の年次報告書で、銀行の手数料稼ぎを目的とした回転販売を槍玉に挙げた。回転販売というのは、販売した投信を2~3年で乗り換えさせる販売手法をいう。
投信を、「販売手数料を稼ぐための商品」とみなしている銀行や証券会社は多い。個人投資家に長期保有してもらうより、新しい商品を次々に販売して乗り換えてもらったほうが、販売手数料が稼げるからだ。
投信は販売額や販売手数料といった目標が設定しやすい商品である。郵便局が投信販売を強化することに対して懸念する声があるのはこのためだ。郵便局の小金持ちの顧客は高齢者が多い。金融知識に疎い高齢者を投信の回転販売に誘導する営業手法が横行しないよう願うばかりだ。
(文=編集部)
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