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サイゼリヤの懸念
ただ、懸念もある。利益率が下がっているのだ。
本業の儲けを示す営業利益が売上高に占める割合を示す「売上高営業利益率」は、低下傾向にある。直近10期で見てみると、07年8月期から12年8月期までは概ね10%近辺で推移していたが、その後は低下し、14年8月期から16年8月期までは概ね5%近辺で推移している。
営業利益率を低下させている主な要因は、売上原価率が上昇していることにある。09年8月期から12年8月期までの売上原価率は概ね32~34%で推移していたが、13年8月期から16年8月期までは概ね35〜37%で推移し、上昇傾向を示している。
売上原価率の上昇の主な要因は原材料の高騰だ。16年8月期ではエビ、チキン、ステーキなど、15年8月期では甘エビ、辛味チキン、チーズ、ステーキなど、14年8月期ではエビ、チキン、チーズなどの原材料価格が高騰している。
原材料の高騰リスクはサイゼリヤに限ったことではないが、好調な業績に甘えて原価低減の努力を怠ってしまえば、成長が止まった時に大きな足かせとなってしまうだろう。今のところ大きな問題にはなっていないが、注意して見ていく必要がある。
だが懸念材料があるとはいえ、サイゼリヤは順調に成長している。今後は、店舗数がどこまで伸びるのか、2000店を超えるのかが注目される。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)
●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。
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