結婚に何を求める?
取材当日、参加者に簡単なアンケートを行った。結婚相手に求めるものについて聞いたところ、男性4人、女性5人から回答を得た。男性が結婚相手に求めるのは、共通して「性格」だったが、女性は「経済力・性格」という結果だった。年齢に関しては、男性は年下を好む傾向にあり、女性は同世代を理想とする人がほとんどだった。女性は、年上を好むのかと考えていたが、「歳上だと先立たれてしまう可能性が高いから」と現実的な理由が背景にあった。
パートナーエージェントでは会員に対し、1年後と1年半後の具体的イメージを持つように勧めている。「1年後には双方の両親に挨拶」「1年半後には結婚式を挙げたい」など、1年半後までにどうなっていたいかを会員にインタビューを行い、婚活の活動設計を行っている。
コンシェルジュと利用者が共通のゴールを持つことで、成果を出す活動がしやすくなるという。ゴールを明確にすることで活動がスムーズになり、多くの場合は登録から2~3カ月で成婚に至るそうだ。ダラダラと婚活を続けても、結婚に至らないことが多い。長く在籍する場合には、特別なこだわりや条件も見直す必要があるという。
たとえば、シニア世代に近づいても10歳以上年下の女性との結婚を望む男性会員は、「福山雅治も渡部建も吹石一恵や佐々木希と結婚したでしょ。だから自分も」と希望を抱く。だが、平田氏は「芸能人の結婚によって、婚活されている方々が前向きになってくださるのは大変うれしいのですが、一般の方に芸能界やセレブの話が当てはまるわけではありません」と釘を刺す。
成婚に至るためには、自分の現状を知ることが大切だ。パートナーエージェントでは入会の際に、会員に対して「リアルな数字」を示すという。
「『このエリアで、この条件だと、ご紹介できるのはこれくらいの人数です』ということを具体的な数字でお見せします。そうすることで会員の皆様が、自ずとご自分の成婚の可能性を知り、結婚への条件を見直す必要性などに気づくことができるのです」(同)
東京にいると、女性が35歳になって独身でも珍しくない。そのため、「結婚なんてまだまだ」「結婚できないんじゃなくてしないだけ」などと軽く言えてしまう。しかし、パートナーエージェントの過去の実績データから考えても、それは間違った認識だという。やはり、20代女性は成婚率が高い。理想の結婚を望むのであれば、女性の場合は20代こそ婚活のベストタイミングといえるのかもしれない。
かつて、3高(高学歴・高収入・高身長)が理想の男性といわれたが、今や3高だけではだめだという。なぜなら、女性はコミュニケーション能力が高い男性を好む傾向にある。パートナーエージェントでは、最初のデートの後に、男性がもう一度会いたがっているかどうかコンシェルジュを通じて相手の女性に伝えるが、断られた場合に女性からその理由もヒアリングする。そしてそれをしっかりと男性に伝え、その改善策をアドバイスし、次の新しい出会いに備える。その繰り返しで入会当初とは見違えるほど変わり、男性としてスキルアップし成婚へと至った男性も大勢いて、男性会員にとっては婚活が自分の魅力を上げるための習い事のようになっているケースもあるという。
昔なら、「お節介上司」や「世話焼きおばちゃん」が見合い話を持ってくることが当たり前だったが、今は会社の上司がそのようなことをすれば「セクハラ」「パワハラ」といわれかねない。
現代では、自らの出会う努力なしには出会えないのかもしれない。出会いへのステップとして、婚活パーティーや趣味コンに参加することから始めてみてはいかがだろうか。
(文=道明寺美清/ライター)