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主な業務はベンチャー投資と業界再編にかかわる投資。ベンチャー投資では8割超の損失を出していると大手紙は指摘している。事実、純損失が累計で17年3月期までに370億円まで膨らんでいるが、一方で「革新機構の役割は、民間が投資できないリスクはあるが将来有望な投資を行うこと。ベンチャー投資は千三つともいわれ、ある程度は仕方がない。ただエグジットを前にした含み益のある株式もかなり保有している」(革新機構関係者)という。
革新機構が8月31日までにまとめた投資実績によると、投資先は119件(エグジットを開始したものや完了したものは37件)で、投資額は累計で1兆343億円にも上っている。
革新機構の仕事はベンチャー投資だけではない。業界再編や企業の再編などの支援も担う。大手電機メーカーから切り離された日の丸半導体企業のルネサスエレクトロニクスの増資引き受けや、同じく日の丸液晶会社のジャパンディスプレイに出資し上場させ、日立建機や日産のフォークリフト子会社の再編に力を入れ、業界再編の台風の目となっている。
しかし革新機構は企業再生そのものはやらない。だから債務超過になった東芝に対して直接資金提供することなどはできない。結局、メモリ事業の再編に関連して東芝メモリの買収にかかわるようになったというわけだ。
日米韓連合
東芝は17年3月期に債務超過に陥り、2年続けて債務超過となると上場廃止になる。そこで東芝は2月14日に東芝メモリの売却先を募り、米国の投資ファンドや中国、韓国の半導体メーカーがこぞって手を挙げた。
日本の技術流出を憂慮した経産省は革新機構や政投銀を通して東芝救済に動き出した。経産省は当初、東芝メモリの買収をオールジャパンで行おうとしていた。ところが東芝以外の日本の大手電機メーカーは、ことごとく半導体事業に失敗して撤退した苦い思い出がある。
そこで革新機構と政投銀が特別目的会社(SPC)を設立し、外資も含めて出資を求めた。当初はKKRとの日米連合が検討されたが、課題が山積している東芝メモリの買収には消極的であった。そのようななかで手を挙げたのが、SKハイニックスと米投資ファンドのベインキャピタル。この2社を取り込み、日米韓連合が結成された。
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