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他方、EVベンチャーの米テスラは7月28日、低価格帯の新型EV「モデル3」の納車を開始した。テスラは当初、高価格帯のEVを販売していたが、電池のコストダウンなどで、価格を3万5000ドル(385万円)に抑えた。航続距離は米国基準で354~498 km。現行のリーフの1.3~1.8倍で、12月には月産2万台に達する見通しだ。すでに米国での予約は37万台に達している。
「テスラはモデル3を来年、50万台販売・生産すると公表している。これが実現すれば、EVで黒字化すると思われる。ただ、本当に安定して生産できるか、懐疑的な見方もある」(前出のアナリスト)
モデル3の電池は、テスラとパナソニックが50億ドル(5500億円)を投じ、米ネバダ州に立ち上げた巨大工場で生産する。EV普及のネックは、リチウムイオン電池工場の建設に巨額の投資が必要なことだ。1億台の自動車がすべてEVに置き換わるとすると、電池工場の総投資額は30兆円を超えるとの試算もある。
また、米ゼネラルモーターズ(GM)は412万円、航続距離は383 kmの「シボレー・ボルトEV」を投入する。
このように世界中のメーカーがこぞってEVに参入しているが、現在までのところ、少なくとも大手ではEVで黒字の企業はないと業界関係者は見ている。
日産のカルロス・ゴーン会長は6月の株主総会で、「我々は(資本提携する仏ルノーなどを含め)累計で46万台のEVを発売した。メディアが注目する米テスラの2倍だ」と発言した。ゴーン氏は「日産がEVのリーディングカンパニーだ」と言いたかったのだろう。
さらに、「グループで2020年までに12億ユーロ(1600億円)をEVなどの技術開発に充てる」と宣言している。
日産グループのEVの累計販売台数がテスラの2倍とはいえ、日産がEVを発売したのは10年以上も前だ。今のトレンドが続くとすれば、早晩、テスラに抜かれる可能性が高い。
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