ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 税金をごまかすと必ず税務調査が入る
NEW
さんきゅう倉田「税務調査の与太話」

つい油断して税金をちょろまかすと、必ず税務調査が入る理由

文=さんきゅう倉田/元国税職員、お笑い芸人
つい油断して税金をちょろまかすと、必ず税務調査が入る理由の画像1「Thinkstock」より

 元国税局職員、さんきゅう倉田です。毎年のお正月の過ごし方は、「課税売上割合の計算」をすることです。

 国税局の税務調査は年々進歩しており、10年ほど前まではインターネットを使った取引に対応しきれていませんでしたが、デジタルフォレンジックの導入や内部教育、携帯端末の発達により、調査先からデータを持ち帰ったり、マイナーな知識も事前に修得したりと、調査力は上がってきています。

 今回紹介する調査事例は、ネットを使った中古商品の転売、いわゆる「せどり」を反復継続して行う個人事業者宅に臨場したものです。

【準備調査】

 準備調査によると、過去3年間の売り上げは600万円、3000万円、6000万円と堅調でしたが、税理士との顧問契約はなく、確定申告書の記載にも漏れが見られました。青色申告の承認を受けて、65万円の青色申告特別控除を適用していましたが、帳簿の作成にも不備があるものと予想できました。

 電話で連絡し、1週間後に実地調査の予約をしました。自宅兼事務所だったため、すぐに調査日が取れたのは幸いでした。業種によっては、日中に事務所にいることがほとんどなく、なかなか調査日が取れないこともあります。たとえば、土建業で日中は現場にいるような場合です。それでも、調査に行くことを決めた以上、あきらめることは絶対にありません。調査対象者を説得して日程をすり合わせ、2~3カ月先の予定を押さえてもらうこともあります。

【臨場】

 調査日当日、朝10時に2LDKの自宅兼事務所に臨場しました。2部屋あるうちの一室を作業場兼倉庫にしているようです。簡単に見学した後、ダイニングの椅子に座って、事業概況を聞くことにしました。

 定番である最近の日米の経済の話をしてから、家族構成や愛人の有無、開業の経緯を確認します。

 調査対象者は、会社員時代に3冊の本を読み、独学でせどりを始めたそうです。100円の本が1万円で売れるなど、順調に売り上げが伸びていったため、将来性を感じて脱サラ。ビジネスの才能があったのか、売り上げは逓増しました。本以外に、おもちゃやゲーム、日用品も手がけるようになりました。前職では経理の経験があり、確定申告書と帳簿の作成に自信があったため、税理士を雇わずに申告しているとのことでした。

さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人

さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人

大学卒業後、国税専門官試験を受けて合格し国税庁職員として東京国税局に入庁。法人税の調査などを行った。退職後、NSC東京校に入学し、現在お笑い芸人として活躍中。著書に『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)、『お金持ちがしない42のこと』(Kindle版)がある。
さんきゅう倉田公式ホームページ

Twitter:@thankyoukurata

つい油断して税金をちょろまかすと、必ず税務調査が入る理由のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!