9月23日、加計学園・岡山理科大学の獣医学部が建設されている愛媛県今治市で「加計隠し解散は許さない」という市民デモと集会が同日のうちに3回行われ、延べ400人が参加した。
安倍晋三首相は9月25日に記者会見を行い、28日の臨時国会冒頭で解散する旨を発言した。10月10日公示・10月22日総選挙の投開票となる見込みだ。国家を私物化する安倍首相の「自己都合解散」「森友・加計隠し解散」という批判が巻き起こっている。
こうした情勢を踏まえて、地元の「今治加計獣医学部問題を考える会」が呼び掛けて今回の企画を実行したが、東京からは19人がマイクロバスで前日の夜、今治に向けて出発。名古屋からも16人が早朝に出発するなど、県外からの参加もあった。
森友学園・加計学園の問題などの追及も含め、野党は憲法53条に基づき臨時国会の開会を要求してきた。53条によると、いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば内閣は国会を召集しなければならない。
憲法に基づく要求を3カ月以上放置しながら、ようやく開会かと思えば冒頭に解散。まったくの自己都合で憲法も主権者も無視している。森友学園・加計学園を臨時国会で追及されれば、説明のしようがないところまで安倍首相は追い込まれているからだ。もはや疑惑でも疑獄でもなく「事件」と呼ぶべきだろう。
加計学園・獣医学部前でデモ
9月23日午前10時すぎ、東京駅をマイクロバスで出発した19人が、岡山理科大学獣医学部建設地近くの公園駐車車に到着した。一方、名古屋を出発したグループは、渋滞に巻き込まれて到着が遅れるとの情報が入った。
マイクロバスを降りて準備をしていると、乗用車に乗った地元の人たちが続々と駆け付けてきた。11時を過ぎると、山本太郎参議院議員がデモのために東京から駆けつけて、マイクを握った。「解散の目的はまったくわからない。加計学園問題から逃げるための解散ではないか。まったくありえない話」と指摘した。
まもなく、「加計学園絶対」反対と書いたノボリや「安倍ヤメロ」と書かれたプラカード、「96億円 市民に使え! 加計に渡すな!」と印字したプラカードを掲げて、デモ隊は出発した。
現地は今治の市街地から遠く離れた丘陵地帯。建物もなく人どおりもまれな緑の中を黄色・水色・赤の「安倍ヤメロ」プラカード、濃い青に黄色文字の「加計学園絶対反対」のノボリをはためかせながら、歩道を歩いて約600メートル先の獣医学部建設地のゲート前まで進んだ。