ビジネスジャーナル > 企業ニュース > アディーレ、組織的な非行で業務停止  > 2ページ目
NEW

アディーレ、組織的な非行で業務停止処分…甚大な消費者被害、大量の客を途中で放り出し

文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士

 このように、一般の消費者が「アディーレ以外の弁護士に相談する」というほかの選択肢があったにもかかわらず、「今だけ無料」に“釣られ”てしまったことに問題があると理解いただけるかと思います。

 実際、景品表示法は第1条において「一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定める」と規定し、一般の消費者がさまざまな商品やサービスのなかから自由に選択する機会を奪われないように規制するとしているわけです。
 
 本来、弁護士・法律事務所は消費者被害を防ぐ立場にあるにもかかわらず、一般の消費者に対し誤解を招くようなCMを出し、「消費者被害」を作出してしまったことは、大きな問題と考えざるを得ません。

東京弁護士会による今回の処分について

 今回の東京弁護士会の決定(2カ月間の業務停止)は、相応の“覚悟”をもって今回の決議を行ったものと考えられます。
 
 ご存じのとおり、アディーレは180人以上の弁護士を擁する大手の法律事務所です。「法律事務所」としての「2カ月間の業務停止」という処分は、数百人規模の相談者や顧客に影響が及ぶでしょう。「業務停止」の期間中は、すべての法律委任契約を解除し、相談者や顧客に対するサービスを終了させなければなりません。すなわち、これらの数百人規模の方々が、突然「債務整理」や「過払い金の返還請求訴訟」などのサービスを途中で受けられなくわけですから、引き継いでくれる弁護士を探さなければなりません。今後、おそらく相当の混乱が生じることでしょう。世間の弁護士全体に対するイメージも低下するかもしれません。

 このような、“二次的・副次的な被害”、弁護士に対する世間の非難が想定されるにもかかわらず、東京弁護士会が「2カ月間の業務停止」という重い処分を下したのは、相応の“覚悟”があってのことと思われます。

 実際、東京弁護士会はアディーレの広告手法について、「極めて悪質な行為」「組織的な非行」などと厳しい指摘をした上で、「市民の弁護士会に対する信頼を確保するため」などを理由に、専用の臨時電話相談窓口を設置し対応にあたっております。

アディーレ、組織的な非行で業務停止処分…甚大な消費者被害、大量の客を途中で放り出しのページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!