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懲戒処分のその後
「2カ月間の業務停止」が明ければ、アディーレもこれまでどおり法律業務を再開することができます。もっとも、前述のとおり一度すべての相談者や顧客に対するサービスを終了させているわけですから(なかには、「明日、裁判の期日がある」という方もいらっしゃったかもしれません)、すでにほかの法律事務所に再依頼をしていることでしょうし、この方たちをもう一度呼び戻すのは相当な困難を伴うことが想定されます。
最後に
今、インターネット上では「出る杭は打たれる」「弁護士はクズ」といったコメントなどで溢れていますが、大手の法律事務所による今回の事件が弁護士全体に与えた影響は少なくありません。
これまで、「ゴルフ場預託金返還請求バブル」「過払い金請求バブル」などと揶揄されたように、弁護士の“儲け話”があったことは確かです。これらの法律業務は、通常の訴訟事件や交渉事件と比べると簡単な法律業務であることから、過大な広告費用をかけて相談者を集客し、若い弁護士や事務スタッフを多く雇って“ベルトコンベアー”式に「作業」を繰り返せば、大量処理ができ、確かに儲かることでしょう。このような“バブル”に飛びついて、アコギな商売と思われるような法律業務を行ってきたツケが今回の顕れでしょう。
気の毒なのは、結局のところ、アディーレから突然「今日をもって、ご依頼の件から辞任します」と“放り出された”お客さんたちです。私も、弁護士の一員として東京弁護士会を中心とした救済・相談に応じていきたいと思います。
(文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士)
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