今年、お隣の韓国は60年に1度の黒龍年(同国の干支のひとつで、出産や結婚が増えるといわれている)で、国を挙げての盛り上がりが予想されるほか、アメリカ大統領選挙やロンドン・オリンピックなど、世界的に大きなイベントが目白押しだ。こんな年は、株価も大きく動くといわれている。だからといって、ギャンブル的思考で「株で大きく儲けよう!」と挑むのは禁物。かえって取り返しのつかないダメージを負いかねない。「株は自分で投資先を決め、お金を運用し、配当や株主優待といったカタチで利子がもらえるオイシイ貯金のようなもの」との冷静な姿勢が大切だ。
そんな堅実な株式投資にとって不可欠なのは、なんといっても”情報”。だからといって、何か特別なことをやる必要はない。普通に世の中に流れる政治、経済、世界動向に関する情報をチェックし、通勤の行き帰りなどを利用して、雑誌やネットでコマメに情報を分析することで、これから上昇気流に乗る企業がどこなのかが見えてくる。
たとえば、今年から本格的にスタートした復興関連に目を向けてみると、建設や建築等に使われる機械のレンタル会社が注目だ。また、車ならマツダ。新型の多目的スポーツ車(SUV)「CXー5」は、ラインナップとして2リットルのガソリンエンジンに加え、新開発された2.2リットルの低公害+省エネ型ディーゼルエンジン搭載車も揃えられた。国内の月間販売目標は1000台だが、販売日前の予約だけで、この目標を達成した模様。海外でも順次発売され、年間世界販売16万台を目指す。こうした情報を受け、2月からは株価が急上昇中だ。
実際に、マツダ販売店にて「CXー5」について説明を聞いてみた。まず外観は、BMWの上質感を彷彿させるほどだ。同店の店員は他社の某大手自動車メーカーのような押し売りはせず、丁寧な接客態度で、エンジンのすばらしさなどの性能をわかりやすく説明し、「マツダはこの車で大復活します」と語ってくれた。
ちなみに、マツダ(株)(7261)の上場来高値 1,130円 (1989年8月21日)、年初来安値 117 円(1月18日)、現在の株価132円(3月14日)といった値動きを考えれば、株価は出直りつつあり、今から貯金代わりに購入してもよい銘柄のひとつかもしれない。
また、”非ギャンブル的株式投資”という点では、株主優待&配当付きの株がお勧め。株価×1単元(最低購入単位株数)+手数料からスタートでき、優待の権利が有効になる日(3月末、9月末などの決算期末日に集中)まで株を手にしていれば、確実に株主優待がもらえるのがうれしい。ちなみに、3月、9月は多くの企業の決算が集中するため、株主優待がもらえるチャンスも増えるのだ。
そこで、ネットや株式情報誌などから、手頃な投資額でオイシイ優待をゲットできる銘柄を探してみよう。(以下、「現在の株価」は3月14日終値)
<キーコーヒー(株)(2594)>
3月末、9月末時点で100株以上保有の株主に、持ち株数に応じて、同社製品詰め合わせセットを贈呈。
(現在の株価1,535円をベースとした最低投資金額:153,500円)
<スターバックス コーヒー ジャパン(株)(2712)>
3月末時点の株主に、持ち株数に応じて、ドリンク無料券を贈呈(使用期限:翌年3月末)。
(現在の株価50,500円をベースとした最低投資金額:50,500円)
<ハウス食品(株)(2810)>
3月末時点の株主に、持ち株数に応じた自社製品を贈呈。
(現在の株価1,418円をベースとした最低投資金額:141,800円)
<カゴメ(株)(2811)>
3月末、9月末時点で100株以上保有の株主に、持ち株数に応じて、自社製品を贈呈。
(現在の株価1,606円をベースとした最低投資金額:160,600円)
<(株)なとり(2922)>
3月末時点の株主に、持ち株数に応じた自社製品を贈呈。
(現在の株価916円をベースとした最低投資金額:91,600円)
なかでも、トマトケチャップ&ジュースでお馴染みのカゴメなどは、最近「トマトがメタボ効果絶大」との情報の広がりもあり、今のうちがお買い得かもしれない。
(監修=雲国斎、文=吉原杏)