景気が堅調に上向き、有効求人倍率は上昇の一途をたどっている。リクルートワークス研究所の調査によると、企業の求人数を就職希望者数で割った2018年春卒の大卒求人倍率は1.78倍と6年連続で増加している。つまり、“売り手市場”が続いているわけで、企業側は採用が難しくなっているのだ。就職活動をする学生たちは、人気の高い企業や職種に集中し、多くの企業は人材確保に頭を悩ませている。
そんななか、企業側は従来と異なる方式によって採用活動の幅を広げており、特にウェブ面接を導入する企業が増えている。
実際に、ウェブ面接に特化した採用システム「インタビューメーカー」を導入したダイドードリンコの採用担当者に話を聞いた。
–なぜウェブ面接を導入したのか。
ダイドードリンコ採用担当者(以下、ダイドー) 海外志向の優秀な学生を採用するためにボストンキャリアフォーラムに参加していますが、フォーラム中の短い期間に内々定まで伝えられないことがあります。学生は帰国まで半年ほどかかることもあるので、それまで待つのは困難であり、そのような学生との接点を持ちたいと考え、導入しました。
–たとえば、スカイプなどを利用して面接することもできると思うが、わざわざウェブ面接専用のシステムを導入したのはなぜか。
ダイドー スカイプだと、面接は可能ですが、募集要項や各書類の紐付けができないため、管理が煩雑になります。インタビューメーカーであれば、システム上でメール送信やウェブ面接の録画もできるので便利です 。無料のお試し期間があったので、実際に試してみてから導入を決められました。
–導入してみて、導入前と何が変わりましたか
ダイドー 導入したシステムのなかで、「動画選考」という機能があります。自己PRの様子を動画に収めてもらうのですが、書類だけでは伝わらない人柄などがわかりやすくなりました。人事のマンパワーの関係で直接面接できる人数には限りがありますが、動画選考によってマッチングの精度を上げながら、絞り込みが的確に行えるようになりました。
ボストンキャリアフォーラムの開催期間では、限られた人しか面接できませんが、システムを導入したことにより、フォーラム後でも日本にいながら、アメリカにいる学生とウェブ面接を2回行い、直接会うことなく内定出しまで可能となりました。
また、海外にいる内定候補者に対するフォローについて、従来はメールでやり取りをしながら、帰国後に直接面談していましたが、内定出しまでに時間が空くことを懸念していました。時差の問題はありますが、ウェブ面接機能は内定者フォローの面談にも活用できると考えます。