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東芝、海外ファンド勢のマネーゲームの道具化

文=編集部

 懐かしい名前も登場する。

 5350株、2.3%出資したサーベラス・キャピタル・マネジメントは、かつて西武ホールディングス(HD)を買収したことで知られる。西武HDは再上場を果たし、サーベラスはしっかりと稼いだ。

 5300万株、2.3%出資したサード・ポイントは「モノ言う株主」として有名なダニエル・ローブ氏が率いるヘッジファンドだ。ソニーに映画・娯楽部門の分離を求め、ファナックに大幅な株主への還元を要求。セブン&アイ・ホールディングスにイトーヨーカ堂を独立させ、米国法人の分離上場を求めたこともある。

 東芝の“なりふり構わない増資”で、普段は信託口など裏側に隠れている投資家が表面に炙り出された。原子力事業を抱える東芝のバックには経済産業省がついているので潰れる心配はなく、確実に儲かると踏んだのだろう。兜町を歩いていると、「東芝の株価は最低でも400円はするとの読みがハゲタカ連中にはある」と伝わってくる。

 彼等にとって東芝の再建は二の次、三の次。目的は、いかに高値で売り抜けるかだけだ。株価上昇を狙って、採算性の低い事業の分離を求めてくるのは必定だ。稼ぎ頭の東芝メモリの売却中止を要求することもあり得る。

 ハゲタカファンドに食い散らされる東芝には、ペンペン草も生えないことになる。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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