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ファミマ、経営統合失敗…一部で24時間営業廃止、サンクスに利益食い潰される

文=編集部

セブン、4カ月連続客数減

 セブン&アイ・ホールディングスの17年3~8月期の連結決算は国内コンビニ子会社、セブン-イレブン・ジャパンにおんぶに抱っこだった。

 セブンのチェーン全店売上高は前年同期比3.8%増の2兆3731億円、営業総収入は2.8%増の4348億円、営業利益は3.3%増の1307億円と増収増益。百貨店やスーパーの不振を補い、セブン&アイの連結純利益は同2.7倍の894億円と2年ぶりに最高益を更新した。

 この決算から克服すべき課題が見えてきた。全店の平均日販は66万3000円だが、前年同期より4000円減少した。既存店売上高は客単価の上昇で1.0%増となったが、客数は0.2%減った。

 こうした傾向が、より顕著に表れたのが10月だった。10月の既存店売上高は前年同月比で0.5%の減収となった。12年7月以来、63カ月ぶりに前年実績を下回ったことになる。客数は4.5%減少した。大型台風や長雨の影響で客足が鈍った。

 だが、天候不順だけが理由ではない。セブンの変調は夏から起きていた。客数は7月に前年同月比1.2%減に転じて以降、8月1.6%減、9月1.2%減と、10月まで4カ月連続の前年割れとなった。

 11月の国内既存店売上高も前年同月比0.1%減となった。2カ月連続でマイナス成長だが、弁当など商品の販売はプラスに転じた。しかし、プリペイドカードの売り上げが前年を大きく下回った。音楽やゲーム、ネットショッピングに使えるプリペイドカードなどサービスの売り上げが落ち込んだ。セブンの既存店が2カ月連続で前年実績を割り込むのは12年7月以来のことだ。

 見方を変えよう。セブン&アイの井阪隆一社長は、カリスマ経営者・鈴木敏文氏の呪縛から解放され、ホッとしているのではないだろうか。既存店のプラス成長の神話を続けるために「おにぎり100円セール」など、粗利益率を下げる一時しのぎのセールに頼らずに済む。11月は商品売り上げに限ればプラスに戻った。これからは、コンビニの抜本的なテコ入れに軸足を移すことができるからだ。

 井阪氏は09年からセブン初の生え抜き社長として事業を伸ばしてきた。だが、コンビニの生みの親でセブン&アイ会長だった鈴木氏は16年2月、「新しいアイデアが出てこない」として井阪氏に退任を要求。その人事案が同年4月の取締役会で否決されると鈴木氏は即座に退任の意向を表明して、揺さぶりをかけた。社内外の大混乱の末、最後に経営トップに選ばれたのが井阪氏だった。

 その井阪氏は“脱鈴木路線”に舵を切った。時給上昇により加盟店の人件費の負担が増している。セブンは9月から、加盟店の経営指導料(チャージ)を1%引き下げた。セブンのチャージ率は他チェーンと比べて高く、高い収益を支える源泉である。鈴木氏が「チャージには絶対に触れるな」と言明していたことから、チャージはセブンの“聖域”となっていた。井阪氏は加盟店の負担を軽減するため、その聖域に手をつけた。

 チャージ引き下げの影響は下半期に80億円、年間で160億円になる見通し。そのためセブンの18年2月期の営業利益は2440億円と横這いにとどまる見込みだ。

 コンビニの集客力を高めるために自転車のシェアサービスに進出。従業員の作業を軽減する次世代型店舗を12月7日に東京・四谷に開店した。省力化で生まれた時間を接客や発注に向けることで店舗の魅力を高め、来店客数の増加につなげたいとしている。

BusinessJournal編集部

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