過当競争で疲弊するスタバとドトール
一方、スタバやドトールなどは競合と激しい競争を繰り広げているため、各々の競争力が相対的に弱まっている感がある。どの大手もそれなりの支配力を有しているが、一強と呼べるほど市場を占有しているチェーンはなく、群雄が割拠し、消耗戦に陥っている側面がある。そのため、スタバやドトールに、かつてのような勢いや存在感は見られないのではないか。
スタバの競争力の衰えが一番象徴的だ。日本生産性本部がサービス産業を対象に顧客満足度調査を毎年実施しているが、そのなかの「カフェ・喫茶部門」においてスタバの「顧客満足度」の順位が低下していることが典型例だろう。
同調査の顧客満足度でスタバは14年度に1位だったが、15年度は3位に転落し、16年度は4位に後退した。そして17年度はランキングが発表される上位4位から外れてしまったのだ。スタバには根強いファンが少なくなく、店舗数はまだまだ伸びているが、顧客満足度の順位の低下に鑑みると競争力の低下は明らかだろう。
ドトールの競争力にも陰りが見えている。確かに、前述の顧客満足度調査の17年度調査において1位の栄冠を勝ち取るなど、それなりの存在感は示している。スタバ同様、根強いファンも少なくない。ただ、かつてほどの勢いと存在感は見られない。
ドトールの店舗数は停滞している。17年11月末時点の店舗数は1124店だが、長らく概ね1100店台で推移している状況で、店舗数が伸びていないのだ。店舗数は頭打ち状態にあるといえるだろう。このことから、ドトールもスタバ同様、競争力の低下が明らかだ。
スタバやドトールが主戦場としている駅前や繁華街は競争が激しい。同業種はもちろん、マクドナルドなどのファストフード店やファミリーレストランなどとも大きく競合する。一方、コメダ珈琲店が主戦場とする郊外の住宅街は、駅前や繁華街と比べるとそういった競合が少ない。しかも、競争が激しい首都圏や関西圏ではなく、それよりは競争が少ない中京地区を地盤としてきたのも奏功した。