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中堅・中小小売りは軒並み減収・減益

決算は二極化が鮮明 イオン&セブン最高益の裏で、食品スーパーがボロボロ…

post_2264.jpg山陰・広島地方で伸びるイズミ・ゆめタウンの博多店。
(撮影:わたらせみずほ「Wikipedia」より)
 円安がメリットとなる企業とコスト増となる企業で、明暗が大きく分かれている。小売りや外食、卸売りなどの内需産業では、安倍政権の経済政策アベノミクスの効果がまだ見られない。

 上場流通業の2013年2月期と3月期の連結決算は二極化が鮮明になった。イオンとセブン&アイ・ホールディングスの2大流通グループは、そろって営業利益段階で過去最高を更新した。大手百貨店は消費マインドが改善して高額品が売れた。コンビニエンスストアも東日本大震災後に便利さが改めて見直されて絶好調だった。

 大苦戦したのは食品スーパー。11年度(11年4月~12年3月)は東日本大震災の復興需要で利益を伸ばしたが、12年夏以降の値下げ攻勢も収益には結びつかなかった。

 近畿と首都圏が中心の食品スーパー大手、ライフコーポレーションの13年2月期の連結売上高は5199億円、営業利益は74億円。この期から連結決算に移行したため前の期との単純比較はできないが、単独決算の営業利益は72億円で34%減少した。競争の激化に加え、シェアを拡大するための出店を積極的に行ったことで費用がかさんだ。

 首都圏の食品スーパー、マルエツの13年2月期の連結売上高は同2%減の3156億円、営業利益は同71%減の20億円。総菜などでコンビニとの競合が響き、既存店売上高が同3.4%減少した。土地などの売却益を特別利益に計上し、純利益は91%増の18億円を確保したが、苦しい決算となった。

 東京、埼玉、千葉の東武線沿線に展開する東武ストアの13年2月期の連結売上高は同3%減の819億円、営業利益は同50%減の8億円と、これまた減収・減益だ。

 地方の食品スーパーも苦戦が目立つ。旧ヤオハンが経営破綻後にイオンの子会社となったマックスバリュ東海は静岡県が地盤だが、13年2月期の連結売上高は1677億円、営業利益は35億円。この期から連結決算に移行しており、単独決算の営業利益は前期比24%減の35億円。

 関西を地盤として展開する準大手スーパーであるイズミヤの13年2月期の連結売上高は、前期比2%減となる3442億円、営業利益は同19%減となる34億円。値下げ競争の激化で食料品の売り上げが減ったほか、反日デモの影響で中国・蘇州の店舗が不振だったことが響いた。

 和歌山県を中心に出店している南近畿トップの食品スーパー、オークワの13年2月期の連結売上高は同0.9%減の2978億円、営業利益は同27%減の50億円。既存店の売り上げが前年を下回る状態が続いている。

 岡山県の老舗百貨店、天満屋グループの食品スーパー、天満屋ストアの13年2月期の連結売上高は同0.6%減の800億円、営業利益は11%減の20億円だった。

 スーパー業界3位で、愛知県が地盤の総合スーパー、ユニーも苦戦している。ユニーとコンビニエンスストア、サークルKサンクスを傘下にもつ持株会社、ユニーグループ・ホールディングスの13年2月期の連結売上高は同4%減の1兆302億円、営業利益は20%減の350億円。このうちスーパーなど総合小売部門の売上は同3%減の7917億円、営業利益は同20%減の142億円。減収・減益というのが中堅・中小ストアに共通しているパターンだ。

BusinessJournal編集部

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