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鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」

森金融庁長官、「詐欺の片棒」批判受けるスルガ銀行を絶賛→信用凋落…財務事務次官就任説も

文=鷲尾香一/ジャーナリスト

「あれだけスルガ銀行を褒めたたえたのは、森長官。森長官も“戦犯”だ」(メガバンク幹部)

 このため、今年6月の人事異動では、「森長官の退任は確実視され、後任には氷見野良三・金融国際審議官が本命視されている。年次からは旧大蔵省入省の昭和58年組の三井秀範検査局長が最有力だが、氷見野審議官は森長官の覚えがめでたい」(金融庁関係者)という。

仰天人事予想も

 しかし、ここにきて「森長官留任説」が強まっている。

「黒田日銀総裁が再任された。黒田総裁と森長官はアベノミクス推進の車の両輪。安倍首相の覚えめでたい森長官が留任する可能性は十分にある。歴代トップとなる4期続投を森長官も望んでいる」(別の金融庁関係者)

 また、首相官邸筋はいう。

「森友学園問題で支持率が低下している安倍首相が、腹心の黒田・森の両輪で再び円安・株高を演出し、支持率の回復をもくろんでいるのだろう」

 だが、別の官邸筋は、驚くべき人事案を披露する。

「森長官の財務省事務次官就任です。森友問題で、財務省は公文書改ざんで壊滅的な打撃を受けている。財務省は立て直しが急務で、相当な腕力が必要になる。その旗頭となる事務次官に、安倍首相が“白羽の矢”を立てたのは、腹心の森長官だ」

 ただ、野党の党首クラスは、「確かにそういう案は出ていたようだが、現時点では消えている。森長官の財務事務次官就任はないだろう」と、この情報を真っ向から否定している。果たして、森長官の進退はどうなるのか。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)

鷲尾香一/ジャーナリスト

鷲尾香一/ジャーナリスト

本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。

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