最高の英語塾J PREP、創業6年で生徒3千人の秘密…英語ができないだけで多大な損失
小学生から高校生までの生徒を対象とした英語塾、J PREP斉藤塾が東京・渋谷の新校舎に移転した。この1年だけで在籍生徒数が1000名以上増加したという。その割合は前年対比で5割増だ。前回記事では、その躍進を支えてきた「顧客満足経営」を斉藤淳代表に語ってもらった。
首都圏で急成長を遂げてきた評判のJ PREP創業者代表、斉藤淳氏は、元イェール大学助教授(政治学)であり、国会議員を務めた経歴も持つ。この「やりたい放題の経歴」を有する少壮経営者は、いかにして教育産業での創業に至ったのか。そしてモニュメントともいうべき大箱の校舎を開校した後、どこを目指そうとしているのか。
イェール大で日本人の英語力に絶望
斉藤 ビジネス的な見地からいえば、「市場のゆがみ」に気づいたということです。「市場のゆがみ」とは、その市場では「安い、早い、うまい、素敵」の逆、すなわち「高い、遅い、まずい、ダサイ」のすべて、あるいはいくつかの不備なことが起こっているということです。日本の英語教育の現場では、まさにその「市場のゆがみ」が起こっていて、参入機会があると思ったのです。
――そして代表には英語の素養があった、と。
斉藤 もともとは外国語学部で応用言語学も学んでいますし、都内の英語塾で自分自身教えた経験もありました。何より、イェール大学で教鞭を執っていたときの体験も大きかったと思います。イェール大で私は日本出身の教員ということもあって、日米学術交流プログラムのコーディネーター的な仕事もしていました。このプログラムに関連して多くの日本人の教授や知識人がイェール大を訪れて来ました。そこで、英語ができないというだけで多大な損失を被る事実を見て愕然としました。私はこの現状は、日本の国益を損なっていることだと本当に思いました。
――そこで、ご自分でなんとかしようと。
斉藤 英語教育産業に「市場のゆがみ」が起きていて、おそろしく非効率になっている、これを正すことは私に課せられた社会的ミッションだとも思いました。
――創業の地を東京・自由が丘とした理由は?
斉藤 自由が丘は「習い事のメッカ」であり、教育熱心な家庭の多い地域の中心にあります。この地域の保護者なら、私が目指す英語教育を理解して共鳴していただける方たちがいるのではないかと思いました。