大学入試センター試験も終わり、いよいよ個別大学の入試が本格化する。2月に入ると、難易度の高い大学の一般入試、2次試験が西日本から東上、受験生にとって息の抜けない時間が続くことになる。そして桜の綻ぶ頃には、その成否は決まり、悲喜こもごもの風景が繰り広げられることになる。当然のことながら、現時点で各々に与えられる運命を予見するのは不可能だ。
ただ大学受験に関して、関係者の間で予定調和と見なされていることがある。それは受験生の出身高校の進学実績、難関大学への進学力のトレンドだ。
まず進学校の最頂部の顔ぶれが大きく変わることは、想定しづらい。たとえば今年も東大合格者数のランキングで開成が首位の座を堅持するのは、ほぼ確実であろう。いわゆる御三家である灘、麻布、国立校の代表格である筑波大附属駒場や、女子校のナンバー1、桜蔭が例年通りに10傑に名を連ねる確率も高い。
もちろん試験は水物であり、全国トップクラスの進学校であっても年によって実績(合格者数)に揺れは生じる。しかし、結果的に増減は一定のゾーン内にとどまるものだ。もともと資質の高い生徒を数多く集めており、浪人組が翌年に巻き返す、振り子現象が繰り返されるからだろう。このあたりは多少なりとも進学校の動向に関心のある方ならば、うなづくところではないか。
私立進学校の退潮
もうひとつ関係者の間で今年、その可能性が濃厚と考えられているのは、公立進学校が堅調な実績をあげ、一方で多くの私立進学校の退潮が続くことである。
「今年も東大合格者のランキングで、公立の名門校が上位に食い込むだろう」(学習塾関係者)
確かにこの数年、東京、神奈川、京都といった私立校が進学において圧倒的な力を持っていたエリアでの、公立校の復活は目覚ましい。その象徴的な存在である都立日比谷は2016年、過去30年でも最高の東大合格者53人(前年は45人)を出した。
日比谷ばかりではなく、ライバルである西、国立、神奈川の横浜翠嵐、湘南も合格者数上位の常連校化しており、また一時は低迷していた戸山、青山など旧ナンバースクールも明らかに進学実績を底上げしている。これに対して私立勢は先述したトップ校はともかく、二極化している。この30年間の東大合格者数の推移を見ても、近年はピーク時に比べて半減や、それ以下になってしまったところも珍しくはない。