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有馬賢治「今さら聞けないマーケティング 基礎の基礎講座」

東京ディズニーR、混雑悪化の懸念があるのに新エリアを開園せざるを得ない理由

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季

栄枯盛衰が激しいIT業界は新技術を生かせるかが鍵

――しかし、すべての企業が成長できるわけではありません。

有馬 現代は、製品やサービスが氾濫している時代なので、企業を成長させることはより難しくなっています。社会全体で考えれば、あるひとつの企業が存続するか否かは、それほど大きな問題ではありません。そのなかで、自社の価値を社会に認めてもらうためには、自社の存在意義を明確にし、事業を通して社会に貢献する必要があります。

――企業の栄枯盛衰は激しく、特にIT企業などは数年前まで調子がよくても、すぐに赤字転落となってしまうことも多いですね。

有馬 IT企業は新技術をうまく生かしたサービスを提供して、世の中のスタンダードになれればいいのですが、それができなければ一気に凋落してしまうこともあるので大変ですね。しかし、IT業界だけでなく、どの業界でも一度うまくいったからといってずっとその調子を維持できるものではありません。一度成功を味わうと、同じやり方で効率を高めて利益を出す方向に経営者の心理は向かいやすくなりますが、効率化ばかりを求めると、顧客のニーズの変化に鈍感になってしまうこともあります。ですから、それに順応して、顧客の期待以上のサービスの提供とともに、適正な利益を得て企業を成長させなくてはならないのです。

――常に企業努力が求められているのですね。ありがとうございました。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季)

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