再建の足並みに明暗
エレクトロニクス大手8社の純利益は以下のとおりだ。
※以下、社名:18年3月期実績(前期比)、19年3月期計画(前期比)
【重電系】
・東芝:8040億円(――)、1兆 700億円(33.1%増)
・日立製作所:3629億円(57.0%増)、4000億円(10.2%増)
・三菱電機:2718億円(29.2%増)、2450億円(――)
【家電系】
・ソニー:4907億円(6.7倍)、4800億円(2.2%減)
・パナソニック:2360億円(58.0%増)、2500億円(5.9%増)
・シャープ:702億円(――)、800億円(13.9%増)
【通信系】
・富士通:1693億円(91.4%増)、1100億円(35.0%減)
・日本電気(NEC):458億円(68.0%増)、250億円(45.5%減)
(東芝、三菱電機、ソニーは米国会計基準、日立、パナソニック、富士通、NECは国際会計基準、シャープは日本会計基準、三菱電機は19年3月期から米国基準から国際基準に移行するため増減率の記載なし。東芝の17年3月期は9656億円の赤字、シャープは248億円の赤字)
かつてエレクトロニクスは、自動車とともに日本の“お家芸”だった。牽引役となったのはテレビを中心とする消費者向け家電製品だ。だが、デジタル化に伴いテレビなどの価格が急落。韓国勢の攻勢やリーマン・ショックに見舞われ、2000年代後半に各社は軒並み大赤字に陥った。
一足先に業績回復の道筋をつけたのが重電系(日立、東芝、三菱電機)だ。日立は交通やエネルギーといった海外のインフラ事業を柱に据え、AV機器などの家電を縮小した。
日立の18年3月期の純利益は3629億円。日立工機などの子会社株式を売却したほか、過去に赤字計上が続いた大型プラントの受注を止めた効果が出た。