ヘビーユーザー向けではない?
一方で、データを思う存分使って5GBを超えてしまうと、やや割高になる。上と同条件の場合、割引前の料金は8280円。ドコモの場合、大容量プランは別途設定されており、20GBの「ウルトラデータLパック」は6000円で利用できる。シンプルプラン、spモード使用料を合わせても、料金は7280円と、ベーシックパックを使ったときより1000円ほど安い。ベーシックシェアパックも同様で、15GBを超えると、もともとが大容量の「ウルトラシェアパック30」を契約したほうが安く収まる。
その意味で、ベーシックパックやベーシックシェアパックは、データを大量に使うヘビーユーザー向けではないといえるだろう。家族のなかで容量にバラつきがあるケースもあるため一概にはいえないが、目安として、毎月、ほぼ必ず5GBを超えてしまう人は、既存の大容量プランに入っておいたほうがいい。無理に新料金プランに変える必要はないだろう。
逆に、毎月のデータ量にバラつきがあり、5GB未満に収まることが多ければ、新料金プランに変えてしまうのも手だ。また、もともとドコモには1GB、3GBのデータパックがなく、2GBの「データSパック」、5GBの「データMパック」という区切りになっていたため、これらのデータパックを契約していて、データ容量が余ってしまっていた人にも、新料金プランはオススメできそうだ。逆に、データSパックでピッタリだった人は、500円ほど料金が上がってしまう計算になる。
ちなみに、旧プランのデータSパックでは、無料通話のつかないシンプルプランを選ぶことができなかった。使うデータ容量が少なく、通話もほとんどしないという人は、ベーシックパックに変え、基本プランをカケホーダイライトからシンプルプランに変更することで、値下げの恩恵を受けることが可能だ。たとえば、データSパックで1GB未満に収まっていた人の場合、基本使用料が720円、データパックが600円と、トータルで1320円も料金が安くなる。
サブブランドへの対抗策
こうした点を踏まえると、ベーシックパック、ベーシックシェアパックは、ライトユーザーほど、恩恵が大きいプランといえる。ドコモの狙いもここにある。低容量のデータパックを契約しているユーザーが、ワイモバイルなどのサブブランドへ流出する傾向が高まっていたからだ。ベーシックパックやベーシックシェアパックには、サブブランドへの対抗策という意味合いがある。
逆に、毎月大量のデータを使う人には、すでにウルトラパック、ウルトラシェアパックがあり、あえて新料金プランを選ぶ必要性は薄い。プランを変更するかどうかは、毎月の利用量と相談して決めるようにしたい。
(文=石野純也/ケータイジャーナリスト)