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米中貿易戦争勃発で日経平均株価「底なし」下落か…3年前のチャイナショック再来の兆候

文=編集部
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 メキシコに生産拠点を置く日系自動車メーカーにとっては、またひとつ頭の痛い問題になりそうだ。NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉は、ロペスオブラドール氏が正式に大統領に就任する12月1日まで“凍結”となる。メキシコに工場を持ち、米国に輸出している日系自動車メーカーはトヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業(ホンダ)、マツダの4社。トランプ氏が検討している輸入車への高関税措置(20%に決まった模様)とともにNAFTAの再交渉が懸念材料で、ダブルパンチになる恐れがある。

 トヨタ、日産、ホンダ、マツダの4社が2017年にメキシコ工場から米国に輸出した台数は合計で67万台に上る。14年にメキシコ工場が稼働したマツダは、米国で売る乗用車をすべて日本とメキシコから輸出している。

 7月2日午後の株価急落の引き金となったのは中国の通貨、人民元の下落とされている。海外の短期筋が東京市場で売り浴びせた。7月2日の人民元は対ドルで7カ月ぶりの安値水準に沈んだ。上海総合株価指数は3%安となった。貿易摩擦が深刻になり、中国経済に打撃を与えるとの見方が強まっている。

 中国株の売りを主導しているのは現地の個人投資家だ。中国株安を受けて海外のヘッジファンドが米国株の株価指数先物を売り、さらに日本(東京市場)にも波及した。7月5日の下げは陰鬱なものだった。新安値銘柄が552と今年最多となった。

 米中の貿易戦争の実態経済への影響を見極めるには時間がかかる。だが、株価は実態経済や景気の数歩先を行くものだ。米中双方の制裁関税の発動をきっかけに、7月6日に「悪材料出尽くし」とのムードが広がった。相場には「知ったらおしまい」という格言がある。「疑心暗鬼が逆バネに作用し、株価は反転する」と、強気な市場関係者は主張する。

 だが、貿易戦争に勝者がないことは、歴史が証明している。日本企業への打撃が数字として出てくるのは9月以降だ。

 海外の投資家は6月第3週(18日~22日)に日本株を大幅に売り越した。年初からの売越額の累計は3兆5000億円に達した。米中貿易競争や日本企業の業績の減速懸念がくすぶり続けている。

 20年の米大統領選までトランプ氏の強硬策は続くとみられる。今後も、新しいカードが切られるたびに株価は揺れ動くだろう。

 15年夏から16年初にかけて起きた株価調整は再来するのか。この時は「チャイナ・ショック」と呼ばれた。中国景気の減速感が強まるなか、市場が期待していた追加の金融緩和策も打ち出されず、株安と人民元安が同時に進んだ。日経平均の最近のチャートは「チャイナ・ショック」の局面と似てきた。

 15年夏に急落した日経平均は秋に一度、戻したが、16年春にかけて一段安となった。同様のチャートを描くとすれば、日経平均は今後、二番底を探る展開となる。今年3月下旬につけた2万617円を意識した動きになるのではないかとの見方もある。仮に2万円を割れば、1万8000円台まで一直線に下げるという暗い予測もある。
(文=編集部)

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