約15年ぶり再ブレイクのDA PUMPに、「モノが売れない」日本の製造業は学ぶべきだ
ダンス・ボーカル・グループのDA PUMPが再ブレイクしている。DA PUMPといえば、元は沖縄出身の4人グループで、キレのあるダンスと高い歌唱力を売り物にして1990年代後半から2000年代初めにかけて人気を博したグループだ。しかし、メンバーの不祥事などもあり、表舞台から姿を消した。その後、メンバーの総入れ替えが行われ、オリジナルメンバーとして残ったのはリードボーカルのISSAだけとなった。そのISSAも間もなく40歳になる。
新体制になってからも実は10年がたっているが、おそらくほとんどの人はそんなことも知らないだろう。それくらい売れないでいたのだ。
ダサカッコいい『U.S.A.』が大ヒット
そんなDA PUMPがYouTubeから火が付いた。この原稿執筆時点で再生回数が5200万回を超えているその曲は『U.S.A.』。文字通りアメリカを題材にした曲だが、二枚目路線を前面に出していたかつてのDA PUMPとはまるで違う。その歌詞もダンスもそして衣装も、とにかくコミカルなのだ。カラオケでもついネタとして披露したくなる曲につくられている。サビの振り付けは真似しやすい振り付けになっており、実際、その部分の振り付けを真似た多くの動画がアップされている。
それでいて、ダンスの技術はピカイチだ。古株のメンバーであるKENZOは、ダンスの世界大会で8年連続優勝している。さらに、ボーカルISSAの歌唱力も圧巻だ。激しいダンスをしながら、口パクではなく本当に歌っている。しかも、歌は乱れず、うまい。口パクだらけの現在の日本の芸能界で、こんなことができるのは彼ぐらいではないだろうか。
これだけの技術を持ちながら、あえてコミカルなパフォーマンスにしているところから、『U.S.A』は「ダサカッコいい」と称され、ちょっとしたブームになっているのである。
高い技術だけでは売れない
彼らの高い技術は昔から折り紙付きだった。それでも、この10年間、まったく売れなかった。
高い技術があるのに売れないことに、DA PUMP自身いら立っていた時期がある。それは、ダンス・ボーカル・グループとして大成功しているEXILEに対する挑発的なコメントとして表れている。8年連続世界大会優勝のKENZOは「本物を追求して、面白くないダンスをぶっ潰していきたい」とまで言っている。これは明らかにEXILEを意識した発言だった。