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串カツというのは、いわばチキンナゲットやフライドポテトのような、家ではなかなか再現できない外食体験です。これまではタバコをふかしたおじさんのものだった串カツが、全席禁煙化によっておやつ感覚で食べられるものへと変化し、新しい顧客層を獲得できたというわけです」(重盛氏)
とはいえ、完全禁煙をせずとも、いわゆる「分煙」というスタイルも選択肢としてあったのではないだろうか。
「マクドナルドなどが代表的なのですが、分煙化施策は失敗に終わるケースが多いのです。というのも、いくら分煙にしても、喫煙席から出てきた人にはタバコの臭いが染みついているので、けっきょくタバコの臭いを完全に消すことはほぼ不可能だからです。実際これまで分煙でやっていたモスバーガーなども、2020年3月末までに完全禁煙にすると発表しており、すでに店舗の改装を始めています」(同)
飲食業界では、分煙化での失敗の経験則があるからこそ完全禁煙が選ばれた、ということか。
「和民」「笑笑」のような大手チェーンの総合居酒屋こそ全席禁煙が必要
今回の串カツ田中の成功によって、全席禁煙の飲食店は増えていくと考えられるだろうか。
「串カツ田中のような新たな顧客層の獲得というメリットもありますが、従業員の獲得という意味でも、全席禁煙化は重要になってくるでしょう。やはり非喫煙者にとっては、受動喫煙の恐れがない職場というのはありがたいものです。特に今の若い人は喫煙しない人が多いですから、若い従業員を獲得しやすくするためにも、働く環境の保全のために全席禁煙を導入するお店が増えてくることは十分考えられます。最終的には経営者の判断次第ではありますが、全席禁煙のお店はこれから増えていくのではないでしょうか」(同)
居酒屋や喫茶店などは喫煙者の憩いの場というイメージ、タバコとワンセットというイメージが特に強い業態だ。串カツ田中には串カツという強みがあるが、「和民」や「笑笑」のような総合居酒屋にとって、禁煙化はダメージとなってしまうようにも思えてしまう。居酒屋や喫茶店の全席禁煙の可否について、重盛氏はこう分析する。
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