外国人観光客はキャンピングカーでこんなにも魅力的な日本旅行を満喫していた
2020年に開催される東京五輪の影響もあり、訪日する外国人観光客数は右肩上がり。昨年17年には2869万人にのぼり、ここ3年間でその数は2倍。今年も昨年を上回る勢いで外国人観光客が来日しており、政府は五輪イヤーの目標として年間訪日観光客数を4000万人と設定している。
こうなると、各観光地や飲食などのサービス業界が追い風を受けるわけだが、実は意外なところで成長が期待される分野がある。それがキャンピングカー業界だ。
特に、外国人観光客のレンタカー利用者の増加は著しく、ジャパンキャンピングカーレンタルセンターの発表によると、今年度の貸し出し実績は前年の5倍以上のペースとなっている。なぜ訪日外国人たちはキャンピングカーを利用するのだろうか。立教大学経営学部でマーケティングを教える有馬賢治教授が解説する。
国土の安全性と経済性により訪日外国人に人気のキャンピングカー
「訪日客の約6割が3人以上で訪れています。そういった観光客グループにとって、車中泊ができるレンタルのキャンピングカーは滞在費が抑えられておトクだと捉えられているようです。日本でも最近流行りだした商品やサービスを共用して出費を押さえようというシェアリングエコノミーの精神が、日本に訪れる観光客にも浸透しているということでしょう」(有馬氏)
ホテルに宿泊することに比べ、車中泊は何かと不便なイメージがあるが、日本においては逆に有利になる部分が多いと有馬氏。
「まず、日本は概して安全な国なので、車中泊での事件や事故の心配が比較的少ないということがあげられます。ほかにも、道路には多くの道の駅があり、そこでは買い物やトイレの利用もできます。都市部ならコインランドリーや銭湯、24時間営業のコンビニエンス・ストアもあります。こうした社会的インフラによって、日本での数日間の滞在ではキャンピングカーでなんら不便のない環境が整っていると訪日観光客は認識しているようです」(同)
お金にそこまで余裕がなく、贅沢をする必要がないと考える若年層の外国人グループにとっては、キャンピングカーを用いての旅行は魅力的な選択肢といえるのだろう。