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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

外国人観光客はキャンピングカーでこんなにも魅力的な日本旅行を満喫していた

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季

キャンピングカー専用停泊スペースの開発で自治体は観光誘致へ

「さらに最近では、多言語ナビが標準装備された車種も導入されており、外国人がキャンピングカーをレンタルするハードルは着実に下がっています。また、廃線になって電車では回れない観光地でも、行動範囲が広く時間的制約が少ないキャンピングカー利用者には訪れやすいというメリットもあります」(同)

 手軽に情報が手に入る世の中になったおかげなのか、日本人の間にもそこまで知名度が高くないようなマイナーな観光地を訪れる外国人も少なくない。外国人へのレンタルキャンピングカー市場が活性化するということは、地域経済を潤おすことにもつながるのだ。

「さらに、地方の自治体や企業が、キャンピングカーを利用する観光客向けに有料で水やシャワー、トイレ設備などを提供する駐車・停泊スペースを開発していけば、東京五輪に向けて不足が予想される宿泊施設を補う手段にもなる可能性も出てきます。この展開が訪日客の移動と宿泊の自由度を上げ、新たなインバウンドのニーズに応える受け皿となる可能性は見逃せませんね」(同)

 こういった設備が整うことで、外国人だけでなく国内の観光客も誘致できる。日本RV協会によると、日本国内におけるキャンピングカー総保有台数は、推定10万400台で、2005年の5万台から飛躍的に増加しており、レンタカーでの利用率も増加傾向にあるという(日本オートキャンプ協会発表)。

 もちろん利用者には、自炊や停泊などのマナーや道路交通法を順守してもらうことは前提となるが、この潮流を利用するのも地域経済活性化のひとつの手段となるのではないだろうか。今後のキャンピングカーを取り巻く環境を注視していきたい。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季)

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