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「もっとも、自動車取得税の代わりに『環境性能割(燃費課税)』という新しい税金が導入されるといわれています。これは、クルマの購入時に環境性能(燃費基準値の達成度)に応じて、非課税、取得価額の1%、同2%、同3%の4段階で課税するというものです」(同)
結局、自動車取得税が環境性能割(燃費課税)に置き換わるだけの話で、消費税の増税分と合わせると、現在よりも重課税になる可能性も高いのだ。
世界的にも異例な「グリーン化特例」
その上、日本には「グリーン化特例」という驚くべき税制も存在する。
グリーン化特例とは、燃費性能の優れたクルマに対して自動車税を軽減する制度のことだ。しかし、優遇されるのはエコカーだけで、車両登録から13年超過した旧車の自動車税は逆に約15%上がり、13年超過した旧車の軽自動車税も20%ほどアップする。
「旧車に重課するのは、世界的に見てもかなり異例です。『クルマを買い換えなければ税金を高くする』なんて、ただの恐喝ですよ。これでは自動車離れを加速させ、クルマ文化を破壊するだけです」(同)
ほかの先進国では、むしろ旧車に減税措置を取るケースが多いという。たとえば、環境問題に厳しいドイツには、30年を超過した旧車の場合、条件を満たせば税金が優遇される「ヒストリックナンバー制度」がある。これは「旧車を文化遺産として保護すべき」という考えから誕生した制度だ。また、スイスやイギリスにも旧車を対象にした税金の優遇措置がある。
それに比べて、日本の仕組みは長期ユーザーをないがしろにするものといえるだろう。呉尾氏は「ユーザーもバカではない。いつまでも今のような税制は続かないでしょう」と予測する。
東京などの都心部では、クルマは個人が所有するものではなく、シェアするものになりつつある。このような税制の下では、「クルマを買わない」というのも当然の選択なのかもしれない。
(文=鉾木雄哉/清談社)
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