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そして今回、広州市を訪れると、路線バスのNEV化(EVとPHEV)が進み、中心市街地では大半がNEVになっていた。タクシーも地元の広州汽車だけでなく、北京福田汽車のEVタクシー車両の普及が進み、一般車両も急速にNEVが幅を利かせていた。1年前にもショー取材で同じ時期に広州市を訪れたが、その時は路線バスやタクシーのNEVはほとんどなく、一般車両でもたまに見かける程度だったので、この1年で急速にNEVが普及したようだ。日本では考えられないスピードで中国のNEV化は進んでおり、驚かされた。
NEVが走る広州市内の様子
NEV規制がスタートする19年まであとわずかのタイミングで今回の広州ショーは開催されたので、中国民族系メーカーの展示車はNEVが目立っていた。プレスデー(メディア関係者のみ入場できる日)には地元メディアが積極的に民族系メーカーのNEVを取り上げており、その様子は違和感を覚えるほど熱心なもので、政府から「NEVを積極的に紹介するように」との指示があったのかと感じるほどであった。
欧米や日系、つまり外資系メーカーはNEVについては少々静観している様子が目立っていたが、欧米と日系ではそのスタンスに大きな違いがあるように見える。欧米メーカーはすでに中国内外でPHEVやEVを積極的にラインナップしているし、中国のNEV規制スタートに備え、NEV生産のために新たに中国民族系メーカーと合弁会社を立ち上げるメーカーなどもあり、“準備万端”の構えとなっている。
しかし、日系メーカーはオリジナルの市販EVを展示していたのは日産自動車のみ。トヨタ自動車はオリジナルEVこそないものの、カローラおよびレビンのPHEVは展示していたが、18年春に初披露したのにいまだ市販には至っていない。本田技研工業(ホンダ)は東風本田、広汽本田ともに積極的にEVをショーデビューさせたが、それらも市販には至っていない。全体で見ると、どうにも出遅れイメージがぬぐえないのである。
NEV規制実施が当初の予定よりずれ込んだこともあるようだが、特に中国民族系メーカーが積極的にNEVのラインナップを進め、手厚い補助金やナンバープレートの優先発給などもあり、大都市を中心に中国民族系メーカーのNEVの普及が加速度的に進んでいる。そして、それがまた日系メーカーの出遅れイメージを助長しているようにも見えた。
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