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セブンらコンビニが、むしろこれまで成人誌の販売を“やめられなかった”複雑な事情

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

 若者を取り込むことで業績を上向かせられると想像できる事例がある。ファミマは、若者の取り込みに成功して成長著しいドン・キホーテと手を組んだ。ドンキの売れ筋商品で若者を中心に需要がある携帯電話関連グッズなどを取り入れたり、商品をうず高く積む「圧縮陳列」などドンキ流のノウハウを取り入れたファミマを昨年6月に3店舗をオープンしたが、そのうちの2店舗の売上高はオープン1カ月で約1.5倍に増加したという。

 ドンキの年齢別会員構成比(majica会員、18年6月末時点)を見てみると、20代が26.0%と世代別で最大となっている。ドンキは若い層を中心に支持を集めていることが見てとれる。ドンキ流ファミマは、こういった層の取り込みに成功したと考えられる。これは一例となるが、コンビニは若い世代の取り込みが課題といえるだろう。

タバコや成人誌の売上不振の影響

 時代の進展によって、一部の売れ筋商品が売れなくなっていることも、コンビニが抱える問題だ。そのひとつとしてタバコが挙げられる。08年から自動販売機でタバコを買う際に成人識別カード「タスポ」が必要になったことをきっかけに、コンビニでタバコを買う喫煙者が増えていったが、近年はその効果が一服している。一方で喫煙者が減少しているため、総売上高に占めるタバコの割合は低下している。たとえば、ローソン(単体)の18年2月期の商品別売上高でみると、タバコの販売割合は25.2%だが、4年前の14年2月期からは2ポイント低下している。

 日本たばこ産業(JT)の「全国たばこ喫煙者率調査」によると、18年5月時点の喫煙者率は前年比0.3ポイント減の17.9%。7月には一部公共施設などで屋内全面禁煙とする改正健康増進法も施行され、タバコ離れが進む見通しで、コンビニにおけるタバコの販売割合の低下がさらに進みそうだ。

 タバコの販売が鈍ると、ほかの商品の販売にも影響を及ぼす。喫煙者はタバコと一緒にコーヒーなどの飲料を買うことが少なくない。そのため、タバコ以外の商品の販売も鈍る恐れがある。タバコ離れはコンビニにとって大きな痛手だ。

 売れ筋商品の落ち込みはタバコだけではない。最近話題になったものでいえば、成人誌がそうだろう。昨年、ミニストップが成人誌の取り扱いを中止した。セブンとローソン、ファミマも、今年8月末までに成人誌の販売を取りやめると報じられている。女性や子ども、訪日客に配慮するほか、成人誌の売り上げが低下していることが理由とみられる。

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