市場規模の縮小が伝えられるパチンコ・パチスロ業界が、依存(のめり込み)問題への対応や不正撲滅などの取り組みを本格化させている。
1月30日には、合田観光商事、ダイナム、ニラク、マルハン、夢コーポレーションのパチンコホール大手5社が「真に依存対策となる“予防”のためのアプローチに注力し、安心して楽しめるパチンコを提供する」との共同声明を発表した。この5社で全国に815店舗を構える。
パチンコ依存対策の具体的な取り組みについて、5社を代表してダイナムの藤本達司代表取締役が読み上げた。主なポイントは、以下の3点だ。
(1)パチンコを提供する法人の責務として「予防」を中心としたパチンコ依存対策を行い、店舗で働く全従業員が行動します。
(2)この活動は5社にとどまることがなく、全国のホール法人が依存対策に取り組めるよう、先頭に立って啓蒙・牽引します。
(3)そのスタートとして、本日の勉強会の動画を動画サイト(YouTube)にて一般公開し、誰もが学習し、行動できるようにします。
同日、精神科医で依存問題の民間回復支援活動に実績がある認定NPO法人リカバリーサポート・ネットワーク代表理事の西村直之氏の講演のほか、5社従業員による合同勉強会も開催された。
そして、共同声明発表後には、合田観光商事の合田康広常務取締役、ダイナムの藤本代表取締役、ニラクの谷口久徳代表取締役、マルハンの韓裕代表取締役、夢コーポレーションの加藤英則代表取締役による記者会見が行われた。
依存対策で収益が下がる懸念も
――パチンコホールが依存対策を強化すれば、収益や売り上げに影響するのではないでしょうか。
韓裕氏(以下、韓) 売り上げや収益が下がる懸念もありますが、依存対策を通して、長く遊技を楽しんでいただき、パチンコファンを増やしていこうという姿勢で臨んでいきたいです。
――大手5社だけではなく、地場のパチンコホールもこの取り組みを行うことが重要ですが、その普及活動については。
藤本達司氏(以下、藤本) 本日の5社のセッションの思いとしては、地場のホールも含めて依存の問題を一緒に考えたいということがポイントです。本日の勉強会も動画で一般公開し、ノウハウを共有します。依存対策を従業員に落とし込み、お客様をどのように見守るかがホールの責任だと認識しています。5社は、教育などの取り組み面では地場ホールよりも先行しております。この教育内容を一般公開し、地場ホールから質問があればサポートし、共感を持ったホールに対しては、一緒に輪をつなげてパチンコを日常の娯楽につなげていきたいです。