スバル、米国有力誌の車総合評価1位に…特にフォレスター&アセントが高評価のワケ
アメリカの月刊誌「Consumer Reports」(以下、CR)は1936年に創刊され、現在の発行部数は雑誌が400万部、ウェブ版と合わせると730万部で、年1回の自動車特集の発行部数がもっとも多いという。
車種ごとの信頼性データや顧客満足度は読者(今年は47万人)から入手して分析、自前のテストコースも所有して毎年50台程度の新車を購入、50項目におよぶ商品性評価を行う。広告を一切取らないのも特色で、長年非常に貴重なガイダンスとなってきた。今回は、本年4月発行の自動車特集号の内容をかいつまんでご紹介したい。
まず、CRの社長兼最高経営責任者(CEO)のマルタ・テラド氏の冒頭のメッセージをご紹介しよう。
「厳しい競合や顧客からの声などにも起因しクルマの進化は著しいものがあり、安全装備も充実してきているが、クルマとぶつかる歩行者の数は近年増加傾向にある。その大きな要因がスマホにあり、歩行者検知機能などの安全装備がすべてのクルマに装備されることが求められている。なぜなら人命を守るための装置は決して『豪華装備』ではないからだ」
ブランドランキングでスバルが1位に
次に、ブランドランキングをご覧いただきたい。このチャートの総合得点は、同一ブランドで少なくとも2車種以上をCRが実車評価した商品の評価結果、顧客調査に基づく信頼性予測と顧客満足度、それに各種安全装備とクラッシュテスト結果を総合して計算するとのこと。
今回、スバルが前年比6ランクアップし1位に輝くとともに、レクサスが5位、マツダが6位、トヨタ自動車が9位に入っている。ただし、日産自動車が21位、三菱自動車が30位と、いずれも前年と同じ下位のランクに甘んじているのがちょっと心配だ。また、2013年にはトップ10に8つの日本ブランドが入っていたことにも留意する必要がある。
スバルに関して、CRは「大躍進の要因は、新型アセント(日本には導入されていない)、クロストレック(日本ではXV)、フォレスターなどのSUVがそれぞれのカテゴリーでトップに輝いていることが大きい。ロードテストスコアはポルシェとBMWのほうが高いが、信頼性の高さがスバルを1位に引き上げている」と述べている。
3万ドル以下のおすすめ車種
次に、3万ドル以下のカテゴリー別のおすすめ車種を見てみよう。この中では、日本車が26車種ともっとも多い。
総合評価に加えてCRの専任スタッフによる判断も考慮されたベスト10が、以下のラインナップだ。
中型SUV:スバル「アセント」
中型乗用車:トヨタ「カムリハイブリッド」
小型高級車:アウディ「A4」
サブコンパクト:トヨタ「ヤリス」(マツダが開発、製造)
小型SUV:ヒュンダイ「コナ」
大型乗用車:トヨタ「アバロンハイブリッド」
高級SUV:BMW「X5」
ハイブリッド&EV:トヨタ「プリウス」
フルサイズピックアップ:フォード「F-150」
小型SUV:スバル「フォレスター」
以下は、その中の総合評価点トップ3のモデルだ。
大型乗用車:トヨタ「アバロンハイブリッド」
価格:$38,643
総合評価点:98
ロードテスト:93
燃費:42mpg(17.9km/L)
新型アバロンは「アキュラTLX」や「レクサスES」などのラグジュアリーセダンに取って代わり得るセダンで、居住性、快適性、燃料経済性などが大きな魅力だ。内装の質感は上級車並みで、前後シートも快適だ。オプションのハイブリッド仕様は加速、燃費ともに良好で、CRのハイウェイテストでは52 mpg(22.1km/L)を記録した。きびきびしたハンドリングと乗り心地も良好、高級ブランド車と真っ向から戦えるクルマだ。