存亡の危機に立つレオパレス21
スルガ銀行の2018年4~9月中間期の最終損益は985億円の赤字(前年同期は211億円の黒字)と発表したが、1007億円の赤字に訂正した。シェアハウス向けの融資などにからみ、グループ企業の引当金を連結で計算する過程で誤りがあったためとした。公表後の決算の数字を訂正するのは、不適切融資問題の発覚以降で2度目となった。東証一部上場企業としてはあってはならないことで、それだけ行内が混乱している証拠だ。
19年3月期通期の最終損益については、250億円の黒字予想から一転して、975億円の赤字に転落する見通しとなった。18年4~12月期の最終赤字は961億円だった。
シェアハウス以外の投資用不動産向け融資(全融資の6割近い1兆6000億円)の引当金の積み増しは、約140億円にとどまっている。万一、投資用不動産融資で新たな不正が出てくれば、文字通り“アウト”である。ここが新しい火種となる。投資用不動産融資で引き当てが増えれば、3月期末の自己資本比率は4%を割り込むことが懸念される。
18年、スルガ銀行の女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」への不正融資が発覚した。シェアハウスを運営するスマートデイズ(旧・スマートライフ、18年5月に破産)の創立者である大地則幸氏は、レオパレス21の出身だ。「サブリース+家賃保証」というスキームを謳い、オーナーを安心させてシェアハウスを売りまくった。「かぼちゃの馬車」は、さしずめレオパレス21のミニ版といえるだろう。
サブリース商法の闇が次々とあぶり出されてきた。レオパレス21は、手抜き工事がどのような経緯で行われたのか、会社ぐるみだったのか、といった厳しい追及が続いている。スルガ銀行のスポンサー探しが本格化する一方で、レオパレス21も存亡の危機に立たされている。
(文=編集部)