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鈴木その子・没後18年、今もSONOKOの化粧品が売れ続ける理由…昭和型経営の勝利

文=出口知史/企業経営者、SONOKO代表取締役社長
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 SONOKOは単にモノを売ってきた企業ではありません。「この一式を食べていれば安心です」というメニュー・献立を主に売り続けることで、収益を安定化させてきました。現在でいえばサブスクリプションによる事業展開をいち早く行っていたということになるでしょう。

 ただ押し付けて売るわけではなく、経験豊富なスタッフがじっくりと相談に乗り、利用者にきちんとした効果を提供してきたことが、顧客の継続利用につながってきました。当時の時代背景もあって医学的なエビデンスは多くは残っていませんが、摂食障害の悩みが解消され、今でもその感謝の想いとともに店舗を訪れてくださる人はたくさんいらっしゃいます。

 その精神は受け継がれ、本人が亡くなった後も厳しい品質管理を行い続けています。少しでも手を抜くと、社員よりも顧客のほうが利用歴が長いこともあるので、すぐに気づかれます。たとえば、ある商品を製造している工場で、釜を何年かぶりに新調しました。その後はより徹底した品質確認を行い、従来品と同一品質だとして安心して出荷しました。するとその後、「ずっと買っているけど、今回のものはいつもと少し味が変わった気がする。何か変わったのか?」という問い合わせをいただきました。一般の消費者より数段厳しいお客様によって、高い品質管理を求められ続けています。

昭和型マネジメントの効果

 そうした実行部隊のスタッフに対しても、鈴木は(今はすっかり見かけなくなった)昭和型のマネジメントをしていました。

 健康上の悩みや摂食障害を自分では解決できなくて困っているお客様と出会うと、スタッフとして雇い、自分の家や周辺に住まわせたり、食事を振舞ったりもしていました。どんなに忙しくても振舞う食事は自分の手でつくり、朝食は相手に合わせてカスタマイズしていたりもしたそうです。また、物を粗末に扱ったり、前向きでないような言動をしたりすると烈火の如く怒る一方で、スタッフの良い部分を見いだしてそこを褒めることが非常に多かったようです。

 当時を知るスタッフからは、「社員に体に良い賄いを食べさせてあげていたからか、仕事の効率が上がっていった」「どんなに忙しくても、残業が多くても、トップの気配りがあったために離職者はいなかった」といった、経営者が聞けば身の引き締まるようなエピソードが言い伝えられてきています。

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