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生保も株式を保有しており、こうした場合は通常、(瀬戸氏を支援する海外機関投資家のような)株主提案ではなく、(潮田氏側の)会社提案に賛同することが多い。「今は瀬戸氏が海外を含めた金融機関を回って、現状や瀬戸氏がCEOに復帰したらどうするのかを話しており、好印象を持ってもらっている」(伊奈取締役)という。
しかし一般的には、企業が団体保険の解約をちらつかせて、株主総会での支持を要求するケースも少なくないことから、LIXILのケースでも生保の賛同を取り付けられるかどうか予断を許さないとの見方もある。生保は保険契約者の代理人として、契約者の利益を最優先しなければならないが、一方で団体保険を解約されれば保険会社としては収益面でマイナスになるため、苦しい判断を迫られることになるからだ。
瀬戸氏側は旧INAXの創業家を味方につけ、株主総会の検査役選任を東京地裁に申し立てた。株主総会招集の手続きや決議の方法が適切かどうか、創業家株主を中心とした“選挙管理委員会”に目を光らせてもらおうというのだ。
LIXILの騒動は、日本の企業統治上のさまざまな問題をあぶり出している。
(文=山口義正/ジャーナリスト)
●山口義正
ジャーナリスト。日本公社債研究所(現格付投資情報センター)アナリスト、日本経済新聞記者などを経てフリージャーナリスト。オリンパスの損失隠しをスクープし、12年に雑誌ジャーナリズム大賞受賞。著書に『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』(講談社)
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