スターバックスの当日おかわりサービス、なぜドリップコーヒーだけ?スタバさんに聞いてみた
この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。今回は人気放送作家の林賢一氏が、オトクなスタバの当日おかわりサービスへの疑問について迫ります。
【今回ご回答いただいた企業】
スターバックス コーヒー ジャパン様
王者・スターバックス コーヒー(以下、スタバ)。こう言っても差し支えないだろう。もはやコーヒー業界には敵なしといった感じだろうか。どの店舗も混雑しているため、日本上陸当初は「ふん、並んでまでコーヒーなんて飲みたくないやい。ましてや禁煙なんて喫茶店の風上にも置けないやい」と足を踏み入れない時期が続いた。が、禁煙を機にフラっとそのスタバなるものに入ってみたら、レシートにこんな表記があるのでびっくりした。
「ドリップコーヒーご購入時のレシートをご提示頂いたお客様は当日内であれば、2杯目のドリップコーヒー(ホット/アイスどちらでも可)を他店舗でも100円(税込)でお楽しみ頂けます」
まさかの「なにコレ、超いいじゃん」である。
ショートサイズのドリップコーヒーは300円なので、2杯飲んでも計400円。一杯200円の計算になる。この値段だと、余裕で日系大手チェーンと競争できる価格帯となる。恐るべしスタバ。
この事実を知ってからというもの、スタバに通う生活を送っている。Wi-Fiを無料で使えるのも魅力の1つだ。もちろん、毎回上記のサービスを使って2杯飲むのが常だ。すると、不思議な欲が湧いてきた。
他のメニューもおかわりしたい。
なにをワガママ言っているんだ、とお思いかもしれないが「スタバでおかわり100円」に慣れきってしまうと他メニューが割高に感じてしまい、手が出ないのが実情である。そもそもなぜドリップコーヒーだけがおかわりできて、他メニューはおかわりができないのか? 気になる。
そこで、スターバックス コーヒー ジャパン お客様相談室様に直接聞いてみた。
「100円のおかわりはありがたいのですが、なぜドリップコーヒーだけなんですか?」
担当者 そーですね、理由は特に設けていないんですが、ビジネス上の判断で決めております。
──ドリップコーヒー以外は「おかわりサービス」やらない感じですか?
担当者 そうですね、予定はない状況でございます。現在は予定しておりませんが、お客様からそのようなご意見があった旨は、担当部署にお伝えしておきます。
──他メニューでもやってくれるのであれば、おかわりに100円以上払う意気込みはあります。
担当者 かしこまりました。そのような意見があった旨は、担当部署にお伝えしておきます。
──そもそも、なんでドリップコーヒーだけおかわりできるんですか?
担当者 特に理由はございません。ビジネス上の判断でございます。
──ビジネス上の判断……ですか。
担当者 はい、サービスでございます。
──あと、レシートには記されていないんですが、おかわりのサイズは変更できるんですか?
担当者 同じサイズのおかわりをご購入できます。
──少し料金を上乗せして、大きいサイズをおかわりできたりは?
担当者 そういったサービスは、今現在行っておりません。同じサイズであれば100円でご購入できますが、別のサイズとなれば新たにご購入いただくということになります。
──3杯目のおかわりは?
担当者 できません。
──そうですか。あと、レシートのおかわり引き換えって、丸1日使えるんですか?
担当者 はい、丸1日ご利用可能です
──例えば、夜中までやっているお店で朝購入して、日付が変わった場合はどうなるんですか?
担当者 例えば朝7時から深夜2時まで営業している店舗であれば、その営業時間内はおかわり可能でございます。
──じゃあ逆に、深夜2時に買ったレシートを、翌朝7時には使えないんですか?
担当者 使えないですね。
──朝4時までやってる店もあるじゃないですか。例えば、遠出するときに早朝4時にドリップコーヒー買って、そのレシート持ってその日の夕方にという使い方もできないんですよね?
担当者 それはできないですね。弊社のレシートに記された営業日は、日付が変わっても変わらないんですね。例えば9月1日の早朝4時にご購入されると、レシートには8月31日の営業日が書かれているはずです。9月1日朝7時に開店するお店のレシートの日付は9月1日付になっておりますので。営業日が変わっていると、残念ながらおかわりは使えません。
結局、ドリップコーヒーだけがおかわりできる理由は、「ビジネス上の判断」と至極真っ当で大人な対応をされたのだった。さらに「サービスだから」と、ちょっと上から目線で言われてしまえば、おかわりを享受している身としてはぐうの音も出ない。むしろ「こんな野暮なことを聞いてしまいすみません、これからもどうぞよろしくお願いします」と最後に言いかかったくらいである。
というわけで、王者・スタバの時代は当分の間、続きそうである。
(文=酒平民 林賢一/放送作家)