携帯電話の請求書、「ユニバーサルサービス料:3円」とは何?auさんに聞いてみた
この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。今回は人気放送作家の林賢一氏が、携帯電話の請求書に書かれた、気になるあの内訳項目に関する疑問について迫ります。
【今回ご回答いただいた企業】
au お客様センター様
みなさんは、携帯電話の請求書に、どれだけ目を通しているだろうか?
郵送される請求書はお断りして(環境にも優しいしね)、毎月メールで届く「◯月の携帯電話料金◯円」の金額を、さらっと確認する方が多いのではないだろうか。「先日発売されたiPhone 5cのイエローが可愛いなあ」などと無邪気に思いながら、「大手キャリア3社ともにiPhoneを扱うことになったし、ちょっとばかりご利用分内訳でもチェックして他キャリアへの乗り換えも検討してみようかしら」と請求書を覗いてみると、気になる表記を発見した。
「ユニバーサルサービス料:3円」
なんだこれは? 3円って。ちょっと笑ってしまった。5円チョコも買えないじゃないか。ふわっと思いついた駄菓子はともかく、毎月3円を現在契約しているキャリアであるauに支払っていたのは初耳である。契約時に窓口で説明を受けた記憶もない。そんなサービスを申し込んでもいないので、おそらくみなさんの請求書にも記載されているはずだ。
そう、「携帯持ってる人、3円オール」なのだ。
いやらしい話、300円なら痛いけれど、3円くらいならそうでもない。だがしかし、3円分「ユニバーサル」に「サービス」されたことはない。そもそも「ユニバーサル」ってなんだ? 念のため直訳してみよう。
「一般的な奉仕料:3円」
さらにわけがわからなくなってしまった。とにかく何も知らないのに毎月3円を取られているのは、気分が落ち着かないではないか。つまりは、気になる。
そこでau お客様センター様に直接聞いてみた。
「請求書で毎月引かれている『ユニバーサルサービス料』って何ですか?」
担当者 はい。ユニバーサルサービス料という料金は、法律において「国民生活に不可欠なサービス」として定められていて、1回線につき3円ずつ皆さまにご負担いただいています。
–国民生活に不可欠なサービス?
担当者 ええ、安定的な通信サービスの提供を確保するため、皆さまにご負担いただいています。
–どこが定めているんですか?
担当者 法律で指定を受けているサービスです。
–すべての携帯電話会社に定められているんですか?
担当者 各電気通信事業者、どちらの会社さんでもあるはずです。
–サービスとは、具体的には?
担当者 例えば、サービスにかかるコストを各事業者が負担し合って、維持をしている状態です。
–何にお金をかけているんですか?
担当者 例えば、都市部であればユーザー様がたくさんいらっしゃるのでコストをかけるだけの対価を得られるんですが、日本中いろいろな地域でご利用できるように、利用者様が少ない地域であってもコストをかけないといけない部分がございまして、その設備の維持費です。
–設備というのは?
担当者 例えば、携帯電話であれば電波塔がないと通話ができないので、その基地局などです。
–ユニバーサルサービス料があるから、地方でも電波がつながるということですか?
担当者 そうでございます。ユニバーサルサービスに定められているモノであれば、携帯会社に限らずあるかと思うんですが。
–え、携帯以外にもあるんですか?
担当者 国民生活に不可欠なサービスなので、例えば電気ですとか、水道、ガスなども含まれるかと思います。
–そうなんですか。
担当者 はい、料金をどのように業界で負担しているかはわかりかねるのですが、通信業界の場合は皆さまに3円ずつご負担いただいている状況です。
–これって、前から3円なんですか?
担当者 2012年6月ご請求分までは一電話あたり毎月5円をご請求させていただいておりまして、その少し前11年12月ご利用分までは一電話につき7円でした。回線数のご契約も多くなれば、お1人にご負担いただく分も少なくなって、それで今の金額に落ち着いているのかと。