タイミーが反論の声明、朝日新聞「無断欠勤で無期限停止」報道で株価急落

タイミー公式サイトより

 スキマバイトのサービス「タイミー」の利用者が増えるなか、14日付「朝日新聞」記事が、スポットワークのアプリ事業者が無断欠勤したワーカーの利用を無期限停止としたことに対して厚生労働省が指導したと報道。ウェブ版記事の画像にはタイミーのアプリ画面が使用されており、タイミーは14日、この報道に反論するリリースを発表。「当社は昨年、厚生労働省との協議を経て、サービス利用停止期間を『無期限』から『一定期間』へ変更しております」と説明している。朝日新聞の報道を受けてタイミーの株価が急落したため、説明が必要だと判断したもようだ。

 7月26日に東証グロース市場に上場し、時価総額(公開価格ベース)が約1380億円の大型上場となり注目されているタイミー。同社が運営するのが、働きたい人と企業をマッチングするスキマバイトのサービス「タイミー」だ。

 タイミーの特徴としては、働きたい人がアプリを使って瞬時に仕事を確保できること。日時・時間を指定して数時間だけの単発のアルバイトを見つけられ、一般的なアルバイト募集で必要な履歴書の提出や面接などが不要で、早ければ当日に働くことが可能。さらに即日に報酬を受け取ることができる。

 一方、求人を出す企業側のメリットとしては、求人の掲載料金が無料である点だ。一般的に求人サイトの掲載料は1件あたり約10~15万円ほどといわれており、採用に至らなかったとしてもコストが発生するが、タイミーは採用が成立した場合のみ、企業はワーカーに支払う報酬の30%を手数料としてタイミーに支払うかたちとなる。また、タイミーはサービスを利用して働いたワーカーを事業者が正社員として雇用することを許しており、正社員登用をサポートするサービス(「タイミーキャリアプラス」)も提供している。

キャンセルに対するペナルティ制度

 タイミーではワーカーによるキャンセルに対するペナルティ制度がある。いったんマッチングが成立した仕事をワーカーがキャンセルすることは可能だが、キャンセルするとペナルティポイントが付与され、8ポイントに達すると14日間、サービス利用が停止される。仕事開始の48時間以上前のキャンセルであればペナルティポイントはつかないが、それ以降は仕事開始までの時間によってポイントがつき、24~12時間前だと4ポイント、4時間前だと7ポイントがつく。そして無断欠勤や仕事開始時間後のキャンセルを行うと一時利用停止となる(遅刻も2ポイント付与)。

 ペナルティポイントが1~3ptの場合は仕事の申し込みに制限はないが、4~7ptだと1週間以降の日付の仕事は1件までしか申し込みができない。8pt以上になると一旦利用停止となり、利用停止前に申し込んでいた確定済みの仕事は全て自動でキャンセルされる。ペナルティポイントを減らすことは可能であり、仕事終了後のレビューをするごとに1ポイント減る。また、キャンセルの理由が下記に該当する場合はカスタマーセンターに相談をすれば、いったん付与されたポイントを変更してくれる場合がある。

・天災・自然災害(地震、落雷、火災、風水害)
・交通事故(提出書類:交通事故証明書)
・感染症の罹患(医師の診断書)
・2親等以内のご不幸(会葬礼状、死亡診断書のコピー、葬儀会社の施行証明書のいずれか)
・公共交通機関の遅延(遅延証明書)

「スマホアプリで簡単にスポットバイトへの申し込みやキャンセルができるという性質上、ユーザの心理的にもキャンセルを行うということへのハードルが低いため、ペナルティの仕組みは必要。2日前まではペナルティが発生しない点や、ポイント変更の相談を受け付けるカスタマーセンターが設けられている点をみる限り、比較的ワーカーに優しい姿勢といえるのではないか」(中堅ウェブサービス企業役員)

競合する大手企業が注力

 タイミーでは以前は無断欠勤をしたユーザの利用停止期間が無期限となっていたが、昨年に厚労省との協議を経て一定期間の停止に変更していた。今回、朝日新聞はスポットワークのアプリ事業者が「働き手の利用を無期限に停止したことに対して、厚生労働省が指導していたことがわかった」(朝日新聞記事より)と報道。これを受けてタイミーの株価が急落していた。

「朝日の記事内ではタイミーの利用画面の写真が掲載されており、タイミーはスポットワークサービスとしては一強といえる状態なので、記事を読めば誰しもタイミーのことだと考えるし、記事の一部を読んだ人のなかには現在もタイミーでは無断欠勤すると無期限停止になると勘違いする人もいるだろう。スポットワーク市場ではメルカリの『メルカリ ハロ』やLINEヤフーの『LINEスキマニ』、パーソルホールディングス傘下の『シェアフル』など新規参入組も含めて競合する大手企業が力を入れてきており、タイミーとしてはネガティブな情報が広がることでユーザを他社に取られないよう敏感になっているのだろう」(同)

(文=Business Journal編集部)

【更新履歴】
記事掲載時に記載していた「朝日新聞記事内に記載されていたタイミーの社名が削除済」との記述を削除。

BusinessJournal編集部

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