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ゲオ、海外進出を加速させていた…セカスト、海外100店舗&売上高140億円

文=Business Journal編集部
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セカンドストリートの店舗(「Wikipedia」より)

 ゲオが傘下のセカンドストリート(セカスト)の海外展開を加速させている。アメリカを皮切りにマレーシア、台湾、タイの4カ国・地域で展開し、10月には海外100店舗に達した。いまや海外事業の売上高は約140億円に達する。なぜこれほどまでに急成長しているのか。

 ゲオホールディングスは中古品売買のセカンドストリートの海外進出を加速させており、2028年度から2029年度をめどにアメリカと台湾でそれぞれ100店舗、タイは10年間で50店舗まで拡大する計画だという。国内経済が閉塞感にさいなまれるなか、中古品売買の市場が盛り上がっている。実店舗での売買をはじめとして、フリマアプリの個人売買も活況だ。

 そんななかで、中古品の国内市場が飽和状態になりつつあるとみて、海外展開に活路をみいだす。2018年にアメリカへ初出店を果たすと、2024年10月までにアメリカ国内に47店舗を出し、2023年度には80億円を超えた。台湾は22店舗、マレーシアも22店舗、タイにも店舗を出した。

 ゲオは1986年、愛知県にビデオショップを開業したのが始まり。これまでに、CDやDVDのリサイクルをはじめとして、中古本、中古家電、中古ゴルフ中古用品、携帯電話など、中古品の買取販売やリサイクル業を専門とする事業を中心に展開。一時期、中古バイク市場にも参入したことがある。さらに、ゲームソフトなどの通信販売システムやパチンコ台情報システムの販売、パソコンゲームソフトの企画・開発を行うほか、不動産事業、飲食店事業、スポーツクラブ運営事業なども行ってきた。そのなかで、中古品の買取販売、リサイクル事業を中心する現在の経営形態に集約してきた。

 現在のゲオは、ゲームやスマートフォン、家電などの買取販売を中心とするメディアショップ「GEO」と、衣料品や服飾雑貨などの中古品買取販売を行う「セカンドストリート」が事業の柱となっている。

セカンドストリートはゲオ傘下で急成長

 セカンドストリートはもともとゲオが立ち上げたブランドではなく、1988年に創業されたフォー・ユーが前身。1996年に総合リサイクル店「2nd STREET(セカンドストリート)」を開店したほか、讃岐うどんの「はなまる」を立ち上げている。

 だが、はなまるが多額の赤字を出したことから同事業をすかいらーくに売却、本体のフォー・ユーも2008年にゲオに買い取られる格好となり、2010年には上場廃止、社名もセカンドストリートへと変更になった。

 ゲオの傘下でセカンドストリートは急成長。当時、CDなどのレンタル事業が右肩下がりになるなかで、ゲオの主力事業のひとつとなった。ゲオはそもそも、徹底した店舗へのコスト削減と、商品・サービスの安価提供で、業績が急成長してきた。同業他社のレンタルビデオ店や民事再生に陥った企業を買収して収益化させてきた経営ノウハウが、セカンドストリートにも生かされたといえる。

「ゲオは、セカンドストリートを主力事業とするタイミングが抜群でした。それまでの主力だったレンタル事業が、インターネットの普及によって急速に廃れていく中、祖業に固執することなく、軸足をスムーズに移行しました。また、その後、フリマアプリなどが普及して中古品の買取販売が難しくなる中でも、全国に店舗を拡大して収益を上げていました。同業のブックオフが一時、赤字に転落して閉店が続出したのと対照的です。ブックオフもその後、売買の中心を中古本からトレーディングカードやブランド品などへ移すことで回復しましたが、セカストはECや海外進出に光明をみいだしています」(中古市場研究所)

 セカンドストリートは47都道府県全てへの出店を達成し、国内863店舗の実店舗と、オンラインストアにおいて中古品の買取販売を行う。2018年にアメリカ・ロサンゼルスに初の海外店舗を出店すると、半年後にはマレーシアにアジア初店舗を出店。その後、わずか6年で100店を出すまでに成長している。

 他方、競合のブックオフもアメリカを皮切りに、カザフスタンやマレーシアへの出店を強化。アニメやフィギュア、トレーディングカードといった海外で人気の高い日本文化を収益の柱とする狙いだ。

 財務省が公表している「リユース市場における消費者の価値観と企業行動」によると、1年間に発生する日本の不用品は7.6兆円にも上り、今後も市場は拡大するとみられている。「リユース業界の市場規模推計2022(2021年版)」では、2025年に市場規模が3.5兆円まで成長すると予測している。コロナ禍でも市場は伸び、景気に左右されにくい。むしろ、景気が悪くなるほど中古品売買は活性化する傾向がある。

 それでも、個人売買が定着すればするほど、実店舗は単なる中古品の買取販売ではなく、なんらかの差別化を打ち出す必要がある。そんななかで、中古品売買が定着していない国への進出は、無限の可能性を秘めているといえるのかもしれない。ゲオは2004年、「ゲオショップ」を米国に進出させたが、海外展開は成功しなかった。今度はセカンドストリートによって世界展開を成功しつつある。

(文=Business Journal編集部)

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